村松めぐみ
風邪は喉からひく私。どうやらそれは子供達にも遺伝したようだ。
秋が深まって空気が乾燥してくると、喉がイガイガして空咳が出ることが増えてくる。この状態でちょっと油断すると体調を崩してしまうので、肌寒くなると用意するものがあった。それは、大根はちみつポーションだ。
何のことはない、民間療法の大根蜂蜜漬けのことだが、ポーションと呼ぶことで秘密の妙薬感を演出していた。
消しゴムくらいの大きさに切った大根をガラスの瓶いっぱいに詰める。そこへ蜂蜜をなみなみと注ぎ、冷蔵庫へ。まる一日ほど経つと大根から水分が出て、瓶の上のほうにエキスがたまる。それをスプーンですくって飲むのだ。
まだ小さかった子供達に、痛いの痛いのとんでけーっと言いながら飲ませたことが懐かしい。
ポーションが甘くて美味しいので喉が痛くなくても飲んでしまって、作っても作ってもすぐになくなってしまうので、お薬だからスプーン一杯だけといった謎ルールまで設定していた。
飲み切って残ったシワシワの大根も滋味深い味わいで、それも楽しみのひとつだった。
小さかった子供達も成長して風邪をひくことも少なくなり、大根はちみつポーションはここ数年作っていなかったが、今年は久しぶりに作ってみようか。シワシワの大根は醤油漬けにしてみよう。
そんなことを考えながら歩いていたら、木枯らしを吸い込んだ喉がかすかに痛んだ。
さあ、蜂蜜を買いに行こう。
(完)
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