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蜂蜜エッセイ応募作品

魔法のはちみつホットケーキ

かこ

小学校の頃、土曜日は半ドンだった。4時間目が終って掃除をして終わり。お昼は家で食べるのだけれど、友達とふざけ合いながら帰るから家に着くのはいつも2時過ぎ。遅いお昼をパートを終えた母と妹と食べるのが常だった。私のリクエストはたいていがホットケーキ。ホットプレートで焼くのは私の役目。生地にぷつぷつ穴が空いたら裏返しのタイミング。でも待ち切れずすぐにひっくり返してしまい、いびつな形のホットケーキがたくさんできた。バターは高いからマーガリンをのせる。そしてはちみつをたっぷり添えて食べるのが大好きだった。「たまにはお好み焼きとか焼きそばにする?」と母は言ったけれど、私は断然ホットケーキ派だった。大きなガラス瓶に入ったはちみつは冬になると白く固まって、スプーンでじゃりじゃりほじくるのは大変だった。残り少なくなると奥までスプーンを入れると手がべとべとになる。でも何だか嬉しくてずっとげらげら笑っていた。土曜日のはちみつたっぷりのホットケーキは、子どもなりの1週間の打ち上げのようなものだった。甘いホットケーキを母や妹とぺちゃくちゃ喋りながら食べる。母の優しい笑顔ととびっきり甘いはちみつのおかげで、どんどん元気になっていくような気がした。そう、あれは魔法のはちみつホットケーキだったのだ。母は覚えてるかな。土曜日のはちみつホットケーキを。

(完)

 

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