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蜂蜜エッセイ応募作品

古い蜂蜜の瓶から新しい出会い

とがり

蜂蜜はいつも祖母が買っている物を使っていた。一升瓶に入っている黄金色の蜂蜜。瓶には「アカシア」の文字が書いてある。確か、祖母が友人同士で旅行に行きお土産屋に寄った時にお買い得だと思い、買ってきた覚えがある。

最近我が家では、毎朝起きると父親がリンゴ酢に生姜汁と蜂蜜を入れた物を作ってくれる。我が家のスペシャルドリンクである。蜂蜜を毎日使うので、祖母が買ってきた一升瓶に入った蜂蜜が無くなってしまった。その為父親に「瓶に住所と電話番号が書いてあるから蜂蜜買っておいて。」と言われた。お取り寄せらしい。

瓶に書いてある電話番号に電話すると「〜養蜂場です。」と、隣町の養蜂場の方が電話に出た。

「昔、祖母が蜂蜜を買っていた様で瓶だけ残っていたんです。今も蜂蜜は売っていますか?」と聞くと、「売っています。」と。

「栃や栗、あかしあなどがあります。特選あかしあが一番甘いです。」との話だった。種類が全くわからず、「一度父親と話して電話します。」と切り、父親と話すと、特選あかしあが良いと言われた。再度電話すると「おばあさんの名前が名簿にあり住所も残っていたのでそちらに送ります」と。ここ最近認知症になり祖母は10年ほど蜂蜜は買っていないのだが、顧客名簿を引き継ぐ形になった。

週末に蜂蜜が届いた。15,000円程したが一升瓶である。物価高にしては安い方であろう。納得の価格である。早速ヨーグルトにかけて食べた。粘り気が強くなかなかヨーグルトに混ざらなかった。食べてみるととても甘い。自然の甘さとは信じられないくらいである。

毎日のスペシャルドリンクにも入っている。この間はホットケーキにつけて食べた。甘くて美味しかった。特選というのがわかる気がする。

祖母が買ってきた蜂蜜が10年経って父親が使い、新しいものを買って使うまでなるとは思わなかった。長期間保存でき、味も落ちない食品はなかなかないのではないだろうか?

美味しい蜂蜜の縁に感謝である。

(完)

 

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