せせらぎ
近年の交通手段の発達は、時間短縮と大量輸送をもたらし、便利で快適な文明社会が形成されました。しかしその反面「衰えは足から」と古くから言われる「歩く」ことから遠ざかり、体力が衰え、疲れやすく風邪をひきやすい体は、薬に頼る「薬依存社会」に変わったように思われます。
高度な通信技術の発達により、TV、インターネットは日常化し、スマホは一人一台を所有する時代となりました。仕事も教育も生活も、あらゆることがネットに結び付いた現代は、運動や歩くことから遠ざかる社会の一因になったのかもしれません。
いずれ訪れる加齢による衰えに抗おうとできる限り歩きました。目的駅の手前下車、階段の一段飛ばし、エレベーターもできる限り使わない日々でした。
退職後、郷里に転居したのは70歳前でした。数年後に始めた早朝ジョギングは、昼間の車・人を避けて、金木犀の香りに包まれ、北斗七星を見ながら、新鮮な空気を胸いっぱい吸って5キロ前後を週2~3回走りました。
しかし、どうしても避けられないのが、走った後の「昼寝」でした。エナジーサプリ等で栄養補強しても、走った後の昼寝は欠かせず、妻からは「あなたは疲れやすいね」とよく言われていました。
老体にムチ打った74歳の晩秋、初挑戦の地元マラソン大会で、5キロ35分の目標をクリアできなかったことに体力の衰えを感じ、涙をのんだのは昨年(2024)でした。
そんなある日、疲労回復について調べていると「マヌカハニー」が目にとまりました。南半球の梅の花に似た白い妖精のような小さな花から、ミツバチが集めた濃厚な蜜。それをひと匙口に含むと、奥深い森の芳醇な香りと天来の甘さが口いっぱいに広がりました。
早速、ある日のジョギングで試した後、妻から何気なく「あなた、今日は昼寝しないの?」と言われたので、「あっそういえば、昼寝を忘れていた!」のです。「まさか」と思い二度、三度試した結果は同じでした。
その後、仕事一筋だった兄が引退し、風邪で体調を崩したというので「マヌカハニー」を贈ると、「これはよく効くね」と電話の声だった。
その時、かつて、戦場で疲労困憊していたある指揮官が、蜜をひと匙口に含むと目が輝いた実話を思い出しました。
小さなスプーン一杯の中に、大きな自然の力が宿っている。
その希少な味わいは、加齢を華麗に変える力を秘めていたのです。
今日も小さな一匙の中にマヌカハニーは微笑んでいる。
(完)
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