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蜂蜜エッセイ応募作品

ひいじいちゃんとの思い出

飯嶋進哉

昭和55年の夏の日の縁側。

外の景色を眺めて座るひいじいちゃんの頭の上に、おもちゃの車を乗せて遊んでいる私が映った1枚の写真。

ひいじいちゃんの手元には「蜂の子」があり、自然豊かな花畑に飛ぶ蜂たちを見ながら食べている姿が印象的だった。

幼少の頃の私は、団地暮らしだったこともあり、山や川など自然に囲まれたひいじいちゃんの家に行くのがとても楽しみだった。

90歳を超えていたひいじいちゃんはいつもニコニコしながら、私の頭をなでてくれ、「いい子だ。いい子だ」と言ってくれた。

3歳だった私もそんなひいじいちゃんのことが大好きだった。

「食べてみるか?」

ひいじいちゃんの右手に「蜂の子」が…。

おそるおそるうなずいて、目を閉じて口を開けると…

ひいじいちゃんがためらいもなく、私の口に放り込んだ。

「噛めない…」

初めての蜂の子の味は覚えていないが、

そのときのことは、45年たった今でも鮮明に記憶されている。

「おいしい」「まずい」ではなく、

ひいじいちゃんがつないでくれた「命」のバトンだ。

夏になるとなぜか無性に会いたくなる。

さあ今年も青空を見上げて、蜂の音を聴こう。

(完)

 

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