まさこ
合唱発表会を控えた時期、子どもの喉の不調が続いていた。朝起きるたびに痛みを訴え、声もかすれがちで、練習の成果が思うように出せない様子だった。親としてできることは限られているが、何とか助けになりたい一心で思い出したのが、マヌカハニーだった。
マヌカハニーは、健康に良いと聞いたことはあったものの、日常的に取り入れていたわけではない。だが、抗菌作用が高いことで知られ、喉のケアに役立つという話を思い出し、試してみることにした。スプーン一杯をゆっくりなめるように勧めると、独特のコクと深みのある甘さが喉に広がり、思ったほど食べにくくはないと言う。
翌朝、「昨日より楽かも」という一言に、私の方が驚いた。劇的な変化ではないが、確かに声の出方が違う。その後、数日間続けるうちに、喉の違和感はほとんど気にならなくなっていった。そして迎えた本番、子どもは不安そうな表情から一転、のびのびとした声で最後まで歌い切った。その姿を客席から見守りながら、胸の奥が静かに熱くなった。
後になって、ミツバチがはちみつを作るまでの過程を改めて知った。一匹の蜂が生涯に集めるはちみつは、ほんのわずかだという。その小さな積み重ねが、人の体を守り、声を支えてくれる。自然の営みの尊さと、蜂産品の力を、身近な体験として実感した瞬間だった。
マヌカハニーは、薬の代わりというより、日々の体調を整える心強い存在だと感じている。忙しい毎日の中で、自然からの恵みを丁寧にいただくこと。その大切さを、あの一さじが教えてくれた。今では我が家の常備品として、静かに台所に置かれている。
(完)
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