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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

魔法のはちみつシャンプー

マヤラヒ

小学生の娘は、幼稚園児のころ、髪を洗うのを極端に嫌がっていた。

プールや海は大好きなので、顔に水がかかるのが嫌というわけではなさそう。

けれど、お風呂で髪を洗うのだけは嫌で、毎回、シャンプーをする時は泣きそうな顔をしていた。

シャンプーが合わないのかもしれないと思い、低刺激のシャンプーやオーガニックシャンプーを手当たり次第試したが反応は変わらず。

嫌がる娘を見ながら髪を洗うのも胸が痛み、ほとほと困り果てていた。

そんなある朝、娘のお気に入りのはちみつバタートーストを食べていた時だ。

「はちみつシャンプーがあればいいのに」と、娘がポロリとこぼした。

「はちみつシャンプー?」と、私が聞くと、娘は頷いて話しはじめた。

「はちみつのいい香りがしたら、良いのになぁって思ったの。とろとろしてて気持ちよさそうだし」

「じゃあ、今夜ははちみつシャンプーにしちゃおうか!」

「できるの?」

「できるできる!」

「やったー!」

娘はきらきらと目を輝かせて言った。

確か、蜂蜜をシャンプーに混ぜて美髪効果が得られると聞いたことがある。

おいしい蜂蜜をシャンプーに使うのは少しもったいないような気もするけれど、娘が喜ぶなら、娘がシャンプーを好きになってくれるなら!と、その夜は小さな器に蜂蜜をすくって入れ、バスルームへ持っていった。

効果は絶大だった。

まず、シャンプーに蜂蜜を混ぜてよく泡立てると、バスルーム中に華やかな甘い香りが漂ってきた。

これだけでも、かなり気分がいい。

娘も、「うわぁ。いい香り!」とにっこりしている。

髪を洗いはじめても、娘の顔は曇らなかった。それどころか、鼻歌を歌いはじめた。あんなに嫌がっていたシャンプーで、娘が気持ちよさそうにしている。

「はちみつシャンプー、気持ちいいね」

私が言う。

「うん!はちみつシャンプー最高!」

娘が発光したような笑顔で言う。

お風呂上がり、ドライヤーで娘の髪を乾かしているとスルスルと指通りがなめらかで驚いた。

もともと、子どもの髪はつやつやで美しい。それをさらにしっとりと潤い、つややかにさせたのは間違いなく蜂蜜の効果だろう。

食べてもおいしい蜂蜜が、髪にも良いなんて嬉しい誤算だった。
おかげで、娘は髪を洗うことを楽しんでくれるようになり、娘はさらにかわいくなった。

(完)

 

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