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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

佳作 第一回蜂蜜エッセイ佳作

 

ミツバチのご縁

浅井 洋子

 

 叔母と里のお墓参りに行ったとき、お墓の周りにハチがブンブン飛び回っていました。
 「お墓にハチなんて危ないね」叔母と何気ない会話をしていました。
 それから一か月ほどして、また、二人でお墓に行ったら、お骨を納める墓石のところにミツが滴り落ちていました。
 「あれ、これ、ミツバチじゃん」たくさんのミツバチが墓石の中に出たり入ったりしていました。狭い墓石の隙間から入って、墓の中にミツバチの巣を作ったようです。
 「ここなら、天敵もいなくて安心だよね」私が言うと、叔母は、「お墓参りの時、刺されると危ないから、虫殺しの薬でもまこうか」と言いました。
 「お墓にミツバチが巣を作るなんて珍しいから、そのままにしておこうよ」
 私が言いました。
 「そうねぇ。これも、ミツバチのご縁かもしれないからねぇ」
 叔母が言ったので、そのままにしておくことにしました。
 戦争中、学徒動員で女学生だったもう一人の叔母が、軍需工場で爆死しました。
 両親が幼いととき病死してしまった私は、この叔母に一番可愛がってもらていたので、本当に悲しい思いをして生きてきました。当時は食べ物がなくて、お甘いお菓子なんて口にすることもできませんでした。
 ひもじい思いをして亡くなってしまった叔母が可哀想です。甘いものが食べれなかった叔母のために、いま、ミツバチがお墓の中の叔母に、甘いミツをたくさんくださったのでしょうか。ミツバチさんありがとう。

 

(完)

 

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