Chiaki*nonno
「野草料理デザイナー」
数ある私の肩書の1つだ。
自分で考えた職業だから、野草料理デザイナーと名乗っている人は、他にはいないのではないかと思う。
普通に「野草料理家」でもいいのかもしれない。
でも私の作るものは、一般的な野草料理とは一風違うのだ。
野草や野菜、果物や木の実、身の回りのありとあらゆる植物が、好きすぎて可愛すぎて時間を忘れてついつい一緒に遊んでしまう。
「こんなに可愛い子がこんな料理になったら、どれだけ素敵になってしまうのだろう」
と、ワクワクが止まらない。
料理人と言うより、まるでアイドルのプロデューサーだ。
春は、タンポポやハルジオンのお花をご飯に混ぜ込んだ、パステルカラーが愛らしい野花のおにぎり。
夏は、スベリヒユのおひたしを乗せた、つるんと喉越しの良い栄養満点のとろろそば。
秋は、拳大のイガに入っていた大きな栗の栗ご飯。栗が大きすぎて、米と栗の主従関係がよくわからない。
冬は、乾燥ハマナスの真っ赤な実で作るアイヌのお粥や、ハコベや百合根、生姜を使った芯から温まる野草粥。
思いつくまま閃くまま、その時にある野草で料理を作っている私なのだが、一年中、と言うより我が家に必ず常駐し、健康や食生活を支えてくれている、まるで家族の一員のような存在が「蜂蜜」だ。
天然の甘みでプラントベースの料理ととても相性が良いのは誰しも想像がつくだろう。
初冬に作る金柑やカリンの蜂蜜漬けは、呼吸器を優しく潤してくれるし、にんじんなどで作る「ラペ」と言うおしゃれ生酢のような料理にも、蜂蜜の甘さが優しく馴染む。
蜂蜜を使う料理をいろいろ作ってきたが、野草料理デザイナーとしてのダントツ1番のオススメは「ハニーナッツ」だ。
ただのナッツの蜂蜜漬けではない。
薔薇やくちなしなど、香りの良いエディブルフラワーを一緒に漬け込む。すると蜂蜜に花の香りが移り、何とも言えない芳しい芳香を放つのだ。
ビンの蓋を開けた瞬間、甘い香りに脳が弛緩してしまう。危険極まりない「ハニートラップナッツ」だ。
農薬の心配のない香りの良い薔薇やくちなしなどとミックスナッツを瓶に入れ、蜂蜜を注ぐだけ。数日おいたら出来上がりだ。
簡単にできるので、ぜひこのハニートラップに身をゆだねてみていただきたい。
蜂蜜と植物のコラボの可能性は無限大だ。
これからも思いつくまま閃くまま、ワクワクするままトキメクまま、野草と触れ合っていこうと思う。
(完)
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