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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

畳三畳のれんげ畑

やきそばお

 

 あの日は阪神大震災からしばらく経った頃でした。
 僕は広島県の大学を卒業したのにふらふらしていて、あの日は岡山県の高速道路の高架の補強のアルバイトで広島県から隣の岡山県の結構山の中にきて作業をしてました。
 高架補強の仕事は思ったよりハードで超強力接着剤を柱に塗り、鉄の網を巻いて貼って補強するという作業でした。
 その時は仕事の合間の昼休憩中でした。休憩時くらいは1人になりたかったのでぶらぶらと作業場からは離れて弁当を食べる為に雑木林の中を歩いて座れそうな場所を探しました。
 ありました。いい場所が!そこはれんげ畑がたった畳3畳くらいポツンとあるオアシスみたいな場所でした。
 僕は弁当を食べ終わるとそのれんげ畑に寝転がりました。最高でした。ミツバチも沢山いましたが気になりませんでした。空には綺麗なお日さまがいてポカポカでとても気持ちのいい空気でした。
 その時がきました。その時は1匹だけ色が少し違うミツバチが僕の肩に止まったのです。ほんの数分だったかもしれません。ミツバチは身動きせず何を語るわけでもなく僕の肩に静かに止まっていました。しかし僕にはすごい時間でした。生まれて初めてその時、地球とつながってると思えた瞬間だったのです。

 あれから30年近く経ちました。あの日のミツバチマーヤはどうしただろうか。マーヤの子孫は今もあのれんげ畑に行って蜜を集めたりしてるだろうか。

 あの日あの時のあの3畳だけのれんげ畑のはちみつを食べたいなあー。
 それが最近の僕の夢なんです。

 

(完)

 

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