池田剛
介護施設に入居している、95歳になる母が、手放せないのが、蜂蜜です。母は寝る前に、スプーン一杯の蜂蜜を必ず舐めてからベッドに入るという生活をずっと続けています。そうすることで、のどの潤いが保たれて、夜中にせき込むことが少なくなって、しっかりと眠れるのだそうです。面会に行くたびに、蜂蜜の残量についての心配を口にするので、私たちも蜂蜜のストックには気を付けるようにしています。何事にもこだわりの強い母は、一度始めるとそれをずっと続けるのですが、特に蜂蜜は自分の健康にとても効果があると信じているので、長年続けています。蜂蜜がのどに良いというのは、母に限ったことではないらしく、妻も風邪をひいた時などには、蜂蜜をお湯で溶いて飲んでいます。今年の初めにも、一週間風邪で苦しみましたが、蜂蜜湯を飲み始めてからは、のどの炎症が抑えられて、熱が下がり、母と同じように睡眠も取りやすくなって、回復していきました。
かくいう私も、蜂蜜の愛好者です。私は毎朝、朝食の時にヨーグルトを食べるという習慣があるのですが、そのヨーグルトには、必ず蜂蜜をかけています。自然の恵みがたっぷり入った蜂蜜は、発酵食品の代表ともいえるヨーグルトと合わせることによって、健康にとてもいいというイメージがあります。肥満のもとになりそうな砂糖と違って、蜂蜜は何故かとてもヘルシーな気がします。美味しさだけでなく健康も届けてくれることから、蜂蜜は、まるで全能の神のような存在です。
蜂蜜は、小さなミツバチが、ひとつひとつは目に見えないくらいに小さな花の蜜を黙々と集めてきた、まさに宝物です。蜂蜜は、ミツバチたちが、子どもたちの食事として集めてきたものですから、例えその残りをもらうとしても、蜂蜜をいただく私たち人間は、花とミツバチに心から感謝しなくてはいけません。
95歳の母はもちろんのこと、私たち夫婦も、いわゆる高齢者と呼ばれる年齢になっています。何より健康に気を使って生活していかなければいけませんが、そんな時、毎日の蜂蜜は何より私たちの健康的な生活になくてはならないものになっています。これからもずっと、ミツバチたちへの感謝を忘れず、蜂蜜をいただく生活を続けて、健康長寿を果たしていきたいと思います。
(完)
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