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ミツバチと共に90年――

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頑張るよ

 

 真面目か不真面目かといったら、真面目な性格なほうだと思う。社会人になり今まで30年近く真面目に働いてきたつもり。
 若い頃は、サボル人や怠けている人をみると腹が立っていた。そんなことを気にせずに生きればいいと幾度となく思ったが、頭と腹は別ものらしく頭では気にするなと思っていても腹が立っていた。そんなことで腹を立てる自分は器が小さいなとも思いつつ。
 ある時、「働きバチの法則」を知った。なんとなく納得はしたものの、どこか腑に落ちなかった。働きバチの法則は、よく働くハチが2割、普通に働くハチが6割、働かないハチが2割という法則のことで、この法則が組織にも適用されるというのだ。よく働くハチだけを集めても、働かないハチだけを集めても、いずれは2割6割2割になるという。法則を知った時は、働かないハチが2割もいることが信じられなかった。
 最近になり、歳を重ね色々と経験をし自分の器も少し大きくなったようで、サボル人や怠けている人をみても見過ごせるようになってきた。同時に、時々は息抜きやたまには休むことも必要だということを知った。病気で働けない時や気分がのらず働きたくない時があることも知った。自分が働かない2割になることを知った。そして、そんな時は働かない2割が助けてくれることも知った。協力のもとに組織が成り立っていることを今更ながらに感じている。今なら、働きバチの法則に納得ができる。
 休みの日の楽しみは、たまに3時のおやつにホットケーキを焼いて食べること。焼き始めると部屋中に甘い香りが広がり、それだけでハッピーな気持ちになれる。そして焼き上がったホットケーキに蜂蜜をかけて食べる時が、最高にハッピーだ。口に入れた瞬間、働きバチの法則なんてどうだっていいと思えてくる。こんなにおいしい蜂蜜に、イヤ、皆で協力して働いて蜂蜜を集めてくれたミツバチ達に感謝して「いただきます」。
 蜂蜜のかかったホットケーキを食べながら、こんなことを考える日がくるなんて思ってもみなかった。幼き日、何も考えずに純粋に「おいしい」と言っていた日々が懐かしい。わたしも、誰かに感謝されているのだろうか。誰かに感謝されていると信じて「明日から、また、頑張るよ」と思えてくる。10年後、20年後、その先…わたしは何を考えながら蜂蜜のかかったホットケーキを食べているのだろう…前進あるのみ、頑張るよ。

 

(完)

 

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