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蜂蜜エッセイ応募作品

ハチミツレモンティー

西口チヨ

 

 今年もMさんからレモンをもらった。皮のつるつるした新種らしい。
 瓶の底に白く結晶し始めたハチミツにスライスしてつっこんでおいた。今日が三日目で固まっていたハチミツがゆるくほどけている。ハチミツレモティーにぴったりだ。ストーブの上で鉄瓶が松風を立てている。今日はダージリンを夫と私そしてティーポットのために三杯入れお湯を注ぐ。そうトルコのなんとかコーヒーみたいに高い位置から。二分タイマーをかける。ティーカップにレモン一枚とハチミツを分け入れる。オッと失敗。指についた。ペロペロ。息子が幼かった頃なら「母さん、僕にも一口。」と言ったはず。ピッピッ。タイマーの音を機に「ジーコ (夫のこと)ティータイムよー。」
 「ねえ、ハチって一生にスプーン一杯分ハチミツをあつめるんだって?」
 「うん、そうらしいな。」
 「一生分を一回のお茶でねー。ありがたいね。 そう言えば、8の字ダンスって聞いたことあるわ。」
 「太陽の位置を利用して蜜のありかを他のハチに伝えるんだよ。」
 「ふーん、方角はわかるとして、距離は?」
 「ダンスのスピードらしい。遠くだとくたびれて帰ってくるからゆっくりと、近いと体力余っているから素早く。こんな感じかな。」
 「へー。そんなこと伝えれるんだ。」
 「なんか、ノーベル賞をもらった人がいた気がするな。」

 甘くてさっぱりして、のどのイガイガもとれて、んー満足
 「ねえ、奈良ホテルのレモンティーおぼえてる?」
「えー、もう、十年以上まえかな。」
 「あれ、レモンの皮を上手にとって、菊のご紋に見えたよね。いい感じだったな。また行きたい。」
 「行きたいところいっぱいだね。そのうち。」

 

(完)

 

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