森本 晋
知人の夫が健康診断を受けた時に、胃の検査も受けることになった。するとピロリ菌が検出されたので、念のために除菌することになった。ところが除菌はうまくいかず失敗してしまったのである。このため心配した知人が、朝食のパンにピロリ菌対策に効果があるという蜂蜜、マヌカハニーを添えて出すようになった。蜂蜜の効能はただ単にカロリーを取るというだけに留まるものではないのだろう。ピロリ菌のように、比較的近年に知られるようになった病気に対しても効き目があるというのは驚きである。ずっと以前から潜在的な力を保ってきている、謂わば万能選手のようなところがあるのだと思う。知人の夫もその後、胃の調子が悪くなることもなく日常生活を続けている。蜂蜜の持つ力のおかげなのかもしれない。
知人夫婦はとても旅行好きである。国内にとどまらず海外旅行もよくされている。お酒を呑まないので旅先での楽しみは食事ということになる。東南アジアからヨーロッパまで広く旅行していろいろと美味しい物に出会ったようだ。その中でも好きなのが中華系の料理、いわゆる「ガチ中華」である。本格的なものを求めて特に香港や台湾そして周辺の国々には何十回も足を運んだと聞いている。そんな中、シンガポールに旅行した時に朝食で出会ったのが、マヌカハニーであった。シンガポールの名産というのではないけれど、おいしいだけではなく、日頃の悩みであったピロリ菌対策にもなるというので、はまってしまったのである。
私もお土産でマヌカハニーをいただいたことがある。体にいいという思いを除いても、通常のアカシアなどの蜂蜜と比べると独特でクセになる味わいであった。蜂蜜の世界は奥が深いと思った。蜜の素になる花の種類による差異はほとんど無限大であるし、地域地域の違いも面白い。以前食べたことのある、巣に入ったままの状態の蜂蜜も忘れ難い。巣がモソモソするのではないかと心配したけれど、そんなことは全くなく濃厚な味に魅了された。普段の世界つの中では、なかなかいろいろなものを試すことは難しいのだけれど、できるだけ探求していきたいと思っている。そして、旅行好きの知人からもまた、いろいろな蜂蜜情報を仕入れたいものだと希望している。
(完)
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