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祖父の朝食

小白水

 

 祖父は元気な人でした。というのも、癌を患い二年前に他界したのですが、それ以前は本当に八十台なのか疑わしくなるような人でした。趣味でウインドサーフィンをしており、地方紙にも乗ったことがあるような人です。

 そんな祖父でしたが、朝食のメニューは決まっていました。
 サラダと目玉焼きとトースト。瓶に入った蜂蜜を、こんがりときつね色に焼けたトーストに一すくい。そして、サラダと目玉焼きをその上に乗せるのです。それを二つ折りにして、大きな口を開けて豪快に頬張る様子を私は眺めていました。
 同居しているわけではなかったので、夏の間しか祖父母と過ごす時間はなかったのですが、その光景は私の記憶に強く残っています。
 かくいう私はどうなのかというと、祖父のように大口を開けて即席サンドを頬張るというようなことはせず、サラダにはドレッシングをかけて食べていたのですが、祖父と同様にパンには蜂蜜を塗って食べていました。所謂ハニートーストというものですが、今でも私の好物の一つです。

 晩年まで、広い庭の草刈りをしたり、老人会で精力的に活動したり元気に活動することができていた秘訣の一つに蜂蜜があるのではないかと、私はそう思っています。
 もちろん、日ごろの運動習慣もあるのでしょうが、何らかの形で蜂蜜を摂取するというのは、健康習慣の一つとしてかなり有効なものだと私は感じています。蜂蜜には抗菌作用がありますから、体を菌やウイルスから強固に守ってくれます。実際、祖父が風邪を引いたという話は一つも聞いたことがありませんでした。
 実例として、私にとって超人にも思えた祖父の姿あったのですからその効果は確かです。少なくとも私にとっては。

 祖父母宅のある日本海沿いの田舎町へ行く機会も法事くらいになり、祖父の眠る墓や先祖を祀る神棚へと手を合わせる機会も滅多になくなりました。ですが、せめていつも食べていたものを、と神棚には決まって蜂蜜を供えるようにしています。そうして備えた蜂蜜のお下がりを私はいただいて帰ります。
 祖父のような豪快な食べ方はしませんが、ハニートーストにしてその蜂蜜を頂くのです。祖父のように長く健康でありたいと願いながら。

 

(完)

 

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