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ミツバチと共に90年――

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映画とミツバチ

ふみちゃん

 

 私は、1980年後半ThE SPIRIT OF BEEHIVE ミツバチの精霊 という映画を見た。邦題は ミツバチのささやき とかいったと思う。自主映画界でチョット話題になったから映画館に足をのばした。別にミツバチが関与する内容でもないのだが、映像の綺麗なさに惹かれた飽きずに見た。内容は、スペイン内乱時の一人の女の子の妄想が主体で、理解が難しい。ただミツバチの羽音とむせかえるような、いや、反対にむっとくる沈んだ熱気というか…そんな印象があった。 その後私は自力で映画を出し、何とか映像で食べるようになった。90年代初頭フランスでこのスペインの監督と少し話す機会があった。私は率直に、あの作品、わからないとこありますね、と下手な英語で尋ねた。彼はにこやかに、わからなくても感じて貰えればいいんです。あの少女の時代の中での悲しみを少しでも感じて頂けたらいいんです。わからなくても、分かって貰えれば…と何やら禅問答している感で話は終了した。 そして、2年後私は、知的障害がある中学生の自殺の背景を描いた作品を出した。地元でまず先行上映し、火をつけ全国展開した。私自身映写機を回し観客と対話する機会も得た。まず分からないというヒトが多い。80パーセントはストーリー自体理解出来てない。パンフを読んでやっとわかる出来なのを私は認めざるを得なかった。
 ただ少ない観客だが、なんかムッとするような熱気というか、静かな羽音みたいな音を感じました。虫たちが、うごめいて、報われない過酷なハチたちの精霊みたいなものをかんじましたよ。私は驚愕した。あのスペインの監督の気持ちが少し理解できた。その後私は、モデルとした家庭から訴訟が起こされ、敗訴して多額の慰謝料を払った。ハチたちの逆襲か。しかし、作品を出した結果私の住む地域では、中学生の自殺は、皆無である。

 

(完)

 

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