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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜と革命

佐藤硲

 

 幼い頃、甘いものが飲みたくて牛乳に蜂蜜を入れてみたことがある。あまい。あますぎる。一口飲んで私はその1杯のはちみつ牛乳を飲み干すことを断念した。

 さっぱりすれば飲めるのではないか?

 幼い私は安直にそう考え、レモン汁を加えた。すると、液体がもろもろし始めた。

 そう、固化である。

 牛乳には加熱や酸によって固まる性質がある。私はそのことをすっかり忘れていた。
 もろもろになったあますぎる牛乳。もはや私には対処しきれず、父に預けてしまった覚えがある。

 そんな過去を持つ私に、革命が起きた。高校生の時のことである。当時私は合唱部に所属し、コンクール前や演奏会前には喉を壊してのど飴が必須になる生活を送っていた。部内で流行っていたのがボイスケアのど飴である。プロポリス入り。

 これがまぁ、まずい。続けて食べていれば慣れてくるものの、久しぶりに食べるとそれはそれはまずい。
 加えて、においも刺激的である。

 しかし、効くのである。
 1つなめれば効果てきめん。声が出る。

 今まで甘いのど飴を食べては気休めだなぁと思っていた私に起きた第一の革命であった。しかし、これによって、ちゃんと効くのど飴はまずいという概念が私に形作られた。

 そんな合唱ライフを送っていたある日、風邪を引いた。喉が痛くてたまらない。のど飴。のど飴がほしい。ちゃんと効くやつ。この際、まずくても構わない。

 だがしかし。喉から手が出るほど求めている時に限って在庫を持っていない。探しに行って買う体力などない。代わりに、親が少し高いけど…とマヌカハニーののど飴を買ってくれることになった。

 その名も、たたかうマヌカハニー。

 金色のパッケージがゴージャスな飴である。ボイスケア同様、プロポリスが配合されているらしい。蜂蜜が全面に押し出された挿し絵に食べられるのか…?と不安になる。私は蜂蜜が苦手だった。
 何もないよりはまし!と意を決して飴を口に放り込む。

 あまい。…おいしい。

 食べられるのはとりあえずよかった。でも、甘くておいしいタイプののど飴かあと少しがっかりもしていた。

 その時。

 効く。この飴、ちゃんと効く。衝撃が走った。初めて、おいしいのに効くのど飴に出会った。第二の革命である。
 私はこの飴をすっかり気に入り、ついに蜂蜜苦手までも克服してしまった。

 こうして、私は豆乳に蜂蜜を入れて飲むほど、蜂蜜愛好家になったのである。

 これが蜂蜜が苦手だった私に起こった革命の話。

 

(完)

 

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