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蜂蜜エッセイ応募作品

はちみつが紡ぐ思い出

みずの

 

 私は幼い頃からのどが弱く、季節の変わり目になるとすぐに風邪をひき、のどの痛みに悩まされていました。そんな私にとって、はちみつは特別な存在です。のどの痛みを訴える私に、母はよくはちみつをスプーンに取ってそっと渡してくれました。その優しい顔を今でも鮮明に覚えています。口に含むと、優しい甘さが広がり、まるで痛みを包み込むような心地よさが広がります。はちみつの効果はもちろん、母の思いやりも相まってか、のどの不調が和らいでいくのを感じました。それ以来、はちみつは私にとって欠かせない「癒しの味」となりました。

 時は流れ、今では私も一人の親となりました。今年、わが子が長引く風邪に苦しみ、咳が続いている日々がありました。病院に通うもなかなか効き目が見えず、どうしたものかと悩んでいた時、ふと幼い頃の記憶がよみがえりました。母が私にしてくれたように、はちみつをひとさじ子供に舐めさせてみたのです。すると、驚いたことに咳が治まったのです。そして、不思議なことに子供もその甘さと安心感にはまってしまいました。「もっと食べたい!」という子供の声に応え、次ははちみつレモンを作ってみました。レモンの爽やかな酸味とはちみつの甘みが絶妙に調和し、ただの「風邪対策」から、家族で楽しむ一つの習慣へと変わっていきました。

 はちみつはただの甘味料ではなく、古くから健康に良いとされる自然の恵みです。抗菌作用やのどの保湿効果があると言われていますが、私は特に乾燥する季節ののどのケアに欠かせない存在です。そして、家族との絆を深める役割も果たしてくれています。子供と一緒に作るはちみつレモンや、温かいはちみつミルクを飲むひとときには、ぬくもりとどこか懐かしさが感じられます。

 母から私へ、そして私から子供へと受け継がれるこの「はちみつの思い出」。それは単なる健康のための手段のみならず、家族の愛情を象徴する存在となっています。これからもはちみつを口にするたびに、小さな癒しと喜びをもたらしてくれることでしょう。

 

(完)

 

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