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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

秘密のおやつ

あおい

 

 始まりは私がまだ小さかった頃、母親に怒られて泣いていた時に祖父が慰めてくれた事がきっかけでした。
 いつまでもウジウジしていた私に「こっちに来てごらん。」と優しく自室に招き入れてくれ、ガラスの小瓶に入った蜂蜜をスプーンに一杯すくって食べさせてくれました。
 「美味しいだろう。甘いものを少し食べるだけで人は笑顔になるんだよ。」
 と祖父は微笑み、頭を撫でてくれました。
 祖父のくれた蜂蜜には魔法がかかっているんじゃないかと思うほど甘く美味しく、いつの間にか私も笑顔になりました。
 「この事は2人だけの秘密にしとくから、お母さんに謝ってきなさい。」
 いつもは意地っ張りでなかなか謝れない私でしたが、「秘密をつくる」という事が当時はお姉さんになれたようで嬉しくすんなり祖父の言葉を受け入れられました。
 その日以降、私は「秘密のおやつ」を食べながら祖父と話をするのが日課となり安らげるひと時でした。
 学校であった嫌な事や嬉しかった事、好きなアニメの話など何の話をしても祖父はニコニコと微笑みながら聞いていてくれました。
 しかし成長するにつれ祖父の部屋に行く事がだんだんなくなりましたが、祖父は私がいつ来てもいいように蜂蜜を切らす事なく置いてくれていたと祖父が亡くなった後に知りました。
 祖父の愛情は今でもスプーン一杯の蜂蜜を食べると蘇ってきます。
 懐かしい微笑みと思わず笑顔になる甘さが胸の奥を温めてくれる。
 それは私にとって祖父との大切な思い出です。

 

(完)

 

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