春日 倫
子供の頃から蜂蜜は身近な存在だった。
我が家ではトーストやホットケーキはもちろん、コーンフレークにかけたり、牛乳に溶かしたり。
何にでもかけたり溶かしたりしていた。
食器棚に置いてあった1キロ入りの大きな瓶を思い出す。
30代になった今でも蜂蜜を普段からよく食べている。
毎日、料理をするようになり煮物などにも使うようにもなったが、子供の頃から今までずっと食べているというわけではなく、10代の頃はほとんど食べなくなっていた。
ちょうどその頃から、メープルシロップに夢中だった。
蜂蜜に対してちょっと古くさいイメージを持っていたような気もする。
冬になって固まってしまった蜂蜜をスプーンでガリガリしたり、湯煎で溶かすことにも「あぁ……めんどくさい……」と避けがちだった。
ところが、20代になって私は久しぶりに蜂蜜と感動的な再会を果たした。
“クアトロフォルマッジ”と出会ったのだ。
ブルーチーズを含む数種類のチーズをのせたピザに「お好みでどうぞ!」と添えられた蜂蜜。
チーズ+蜂蜜の美味しさを知らなかった私は半信半疑だったが、美味しさに感動。それ以来、大好物だ。
あのクセのあるブルーチーズを、あの塩味をまろやかにまとめ上げるのは蜂蜜以外は考えられない。
メープルシロップでは主張が強すぎる!
いやいや、お砂糖では物足りないでしょう?
もちろん、ダメ!というわけではないし、好みの部分が大きいけれど、私は蜂蜜がベストだと思う。
それ以来、私の日常に蜂蜜が復活した。
ちょっと甘いものが欲しい時に満足感を満たすと共に、「お砂糖よりも体に優しいのよ。」と罪悪感を減らしてくれさえもする。
おかえりなさいませ。
クラッカーにクリームチーズとナッツをのせ、黒胡椒をカリカリ。お塩をパラパラ。そして蜂蜜をとろーり。
お酒と共につまみながら心に決める。
もう、メープルシロップに浮気はしない。
まさにマイハニーなのだ。
(完)
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