武井怜
一匹の蜂がテレビに映りました。母が「可愛い。ごんちゃんみたい」と言いました。父と私も、「本当だ、ごはんみたい!」と、テレビに前のめり。「ごんちゃん」とは、正確には「ごはん」。16歳になる、うちの猫です。私は30代、父と母は60代で、「蜂は可愛い。そしてうちの猫みたいだ」という認識が生まれた瞬間でした。
そんな蜂が生み出してくれるはちみつは、私の生活で大活躍中です。私が思うはちみつの魅力は、まずはなんといっても、あの奥深い美味しさです。もし「美味しいものコンテスト」があったなら、「『美味しい』なんて個人の主観だし…」と批判が飛び交うなか、はちみつならば「美しい味」と書く「美味しい」に相応しい!と、文句なしのノミネート、からの優勝、からの殿堂入り、からの審査員長抜擢を果たすと思います。
もし、フレンチトーストにはちみつがなかったら?ホットケーキにはちみつがなかったら?バターもフレンチトーストもホットケーキもみんな、「忠犬ハチ公」ならぬ「忠バタバタ公」、「忠フレトス公」、「忠ホトケキ公」と化し、石となっても、いつかはちみつが降り注ぐと信じて待つことでしょう。とはいえ、時々はチョコレートクリームを塗りたくもなるものです。けれどフレンチトーストやホットケーキにはちみつは、いわば「日本人と納豆」なのです。最近は生姜焼き、ハニーマスタードチキンやクワトロフォルマッジと、しょっぱい料理にもはちみつの活躍を感じます。まさに春に花を飛び回る蜂のように動き回り、あちらこちらで大活躍です。
私の顔面でも活躍してもらっています。はちみつには殺菌効果があると聞き、インターネットでみつけた「塩はちみつピーリング」を続けています。
殺菌効果といえば、感染対策。はちみつには、コロナ禍以前から助けてもらっていました。はちみつを摂り入れると、喉が喜ぶ感覚があり、安心します。
生活の各所で大活躍のはちみつを届けてくれるのが、蜂だったら?こわくて、そして何だか気まずくて少ししかすくえず、家の中には、石になったバター、フレンチトースト、ホットケーキがゴロゴロ増えて、自宅でボルダリングでも始めることでしょう。私達の家庭に、安心、安全、満足な形ではちみつが届くのは、養蜂場の皆さまのおかげです。蜂と、はちみつに関わるすべての存在に感謝しています。
(完)
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