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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ちょっと贅沢

どこにでもいる田中

 

 蜂蜜の食べ方はいろいろだ。私が一番多い食べ方はヨーグルトに入れること。すくったスプーンをそのまま使う。少量でも上品な甘さがスプーンに纏わって、舌が楽しい。紅茶に入れれば、あまりよくない茶葉でも、色も香りも変わる。檸檬にも合う。子供の頃に、蜂蜜檸檬が流行った。檸檬の輪切りを蜂蜜に浸ける。この浸けた後の甘酸っぱさをお湯で割ったりして飲むのもまた好きだ。バスケットボールの合間の美味しい思い出だ。
 小麦粉をベーキングパウダーやドライイーストで発酵させたものを、フライパンで焼く。パンのような形にすると焼いた時に香ばしい。これに蜂蜜をつける。添加物のない味だ。さらにピザ生地にして焼き、チーズと蜂蜜をがっつり。クワトロチーズハニーピザという名前らしい。クワトロは、スペイン語やイタリア語の4の意味。4種類のチーズ。そのうえに、蜂蜜。「絶対美味しいヤツ」である。ほかにも、南瓜の煮物は砂糖でなく蜂蜜を使う人もいた、照りが違うし、味が優しくなるからと言っていた。煮物の味付けにはちょっともったいないかなあ。
 一匹の蜂が一生懸命集めても、せいぜい蜂蜜はスプーン一杯らしい。いろんな国で、いろんな種類の花から、たくさんのミツバチが蜂蜜を集める。バンコクやトルコでも売っているのを見た。花のある国なら、どこでも蜂蜜を集めるのだろう。そしてそれだけ、蜂蜜の糖分に魅了されるのだろう。
 モンゴルのセレンゲ県でも、蜂蜜が採れる。ウランバートルの知り合いが、「これが一番」と勧めてくれたので、買って帰った。お土産にとても喜ばれた。蜂蜜が嫌いという話は聞いたことがない。甘さとやさしさ。瓶をみるだけで、旅行が思い出された。
 ロシアでも、蜂の巣の形の蜂蜜が売られていた。セレンゲ県もロシア側というから、花がどんと咲くところがあるのかもしれない。蜂の巣の形の蜂蜜は、歯ごたえが少しあって、歯にくっついたりする。くっついたところが、ゆっくり溶けていく。巣の形だと混ざりものがないように思える。
 日本でも、普通の田舎に、いきなり蜂蜜が売っていたりする。先日、自転車で裏道を通っていて、蜂蜜と書いた旗を見つけた。ちょっと覗いてみると小瓶でも高い。それでも結構売れているようだ。本物の「ちょっと贅沢」を楽しむ休日もいいだろう。

 

(完)

 

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