ハニーレイ
声楽をやっている私にとって、はちみつは生活必需品だ。歌のコンクールや本番なんかが近くなると、お父さんやお母さんがはちみつ紅茶を作って持たせてくれる。家に何本もストックしてあり、色の濃いもの薄いもの、さらさらしているもの、花の種類やミツバチによってはちみつってこんなに違いがあるんだなあと、家のはちみつ棚を見るたびにいつも思っている。
我が家はなんでもはちみつだ。冬場や、歌う前はもちろん、くちびるが荒れたら父に「はちみつぬってラップしときんさい」って言われるし、料理をしていて、もう一味欲しいな、という時も、とりあえずはちみつを入れてみる。最近では、たこ焼きにはちみつが意外と合うのが驚きだった。冬になると、結晶化してしまうはちみつを鍋に並べてお湯で溶かすのも、毎年恒例だ。はちみつの固まったところもわりかし美味しいので、どのタイミングでお湯から出すかは、私の腕のなるところだ。
ある日、本番が近いにも関わらず、風邪を引いてしまって声が出なくなる、ということがあった。不幸にもその時はちみつを切らしていて、いつものお店にもない。家族総出ではちみつを探し回った。肌寒い中自転車を漕いで、余計風邪が酷くなるんじゃないか、とも思ったが、結局違うお店ではちみつを購入することができ、事なきを得た。私はアカシアのはちみつを好んで使うが、その時買ったのはコーヒーの花のもので、それもとても美味しかった。ただ、コーヒーはちみつは大量に出回っているわけではないらしく、時々しか買うことができないのが残念だ。
コーヒーはちみつに限らず、はちみつはとても貴重なものだ。ミツバチの寿命は1ヶ月程で、しかも小さい。1匹のミツバチが一生に集められる蜜はティースプーン1杯だという記事を見て、そんなものを私は毎日当たり前に食べているのか…ととても驚いた。
私が好きな音楽をできているのも、はちみつのおかげだ。食べ比べて見たり、アレンジレシピを考えたり、はちみつの楽しさは尽きない。だからいつも、サンキュー、マイハニー!
(完)
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