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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

魔法の薬

なし

 

 7年ほど前に、イギリスにいる姪から「甲府の母が癌になった」旨のメールが来た。姪はカーデフで、日本の琴を使ってお年寄り向けの音楽療法士をやっている。日本との距離が遠く飛行機代が高いので弱っているという。姉は当時70の高齢だから厳しい状況になっていると思いながら、弟の私はできることが思いつかない。そこで女房に相談したところ、病弱者にマヌカハニーという蜂蜜がいいという。ニュージーランドからの輸入品で、値が張るが効果があると聞いているという。女房のパークゴルフ仲間の旦那はそれをなめてピンピンだという。私は蜂蜜は滋養の効果がある程度の認識で、他にアイデアガ浮かばなかったのでそれを送ろうと決めた。近くの大手のスーパーを探しても置いてなかった。そこで隣町の大手のショッピングモール「イオン」の蜂蜜専門店で探したら、コーナーの隅に少しだけ置いてあった。小さな瓶入りで偉く値段が張るので躊躇したが、宅配で送ってもらった。すぐう謝礼の電話が来たが「大騒ぎしないでほしいので誰にも連絡していない」という、頑張れと言って電話を切った。それから4か月ぐらいして電話で連絡したら調子がいいという。もちろん薬を何種類も服用しているが飲むのに薬をこんなに飲み続けていいんだろうかと心配しながら飲んでいるが、マヌカハニーは毎日少しづつ舐めているが、甘くて薬を飲む不快感を忘れさせてくれる。2瓶空けたら体も気分も楽になって「極楽」の気分だという。今も続けてなめているという。極楽という言葉はあの世を意味することもあり、一瞬アレーと思ったが、癌の進行も止まり気分的には良好であるという。この極楽という表現は、高価なものを送ってもらったのでその謝辞を表現すに語彙不足で出た言葉でないかと思った。私が「極楽」という言葉を使うのは、寒い時期に熱い風呂に徐々に体を沈め、じわじわ体が温まり、体が風呂と一体になった時に「極楽極楽」という言葉が出る。それで姉もマヌカハニーを長期間なめ、入浴と同じ感覚になり極楽といったのに間違いないと思った。私の中で高級な蜂蜜が魔法の薬に変化した。この選択はよかった。

 

(完)

 

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