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はちみつ色のレモネードで乾杯

かず爺

 

 いまから10年以上前に小さなレモンの苗木を買いました。けれどなかなか身を付けず、半分あきらめ気味で庭に地植えしました。夏にアゲハ蝶が産卵に来てもほったらかし。毎年、葉は食べられて丸坊主になっていました。
 けれど去年、決意して育て直すことにしました。手を合わせてアゲハの卵を取り、陽の光があたるように枝を切り、スス病の葉は丁寧に掃除しました。それでもひとつ、ふたつしか身がつかず、何度も諦めかけました。しかし考えてみると、レモンの木は私に買われるのを拒むことはできません。生きるか死ぬかは私にかかっているのです。
 いつか木がレモンの身でいっぱいになってくれたらいい、そんなのんびりした気持ちで育てるようになりました。すると去年、40個以上の大きな身を付けてくれたのです。嬉しくてご近所の方に配ったり、おかずにから揚げが出ると、酸っぱいのが苦手なのにかけまくりました。
 とは言え、から揚げに使うレモンは一個あれば十分。家族も喜んでくれたのは最初だけで、ほとんどのレモンの身は残ったまま、冷蔵庫で黄色くなっていきました。このままじゃしなびて使えなくなるなあと思っていたところ、インターネットでレモネードの作り方動画を目にして「これだ!」と膝を打ちました。
 早速、保存できる瓶を買い、たっぷりのはちみつを使ってレモネードシロップ作りを始めました。すると今度は家族で取り合いになる人気ぶり。日頃、パンにはちみつを塗る習慣がなかったら、今頃レモンは全部捨てられていたでしょう。 
 いま、我が家の冷蔵庫には、瓶いっぱいのレモネードシロップが黄色く輝いています。

 

(完)

 

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