はちみつ家　>　蜂蜜エッセイ

父の愛

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　私が子供の頃、父がマヌカハニーを買ってきてくれ１日スプーン１杯食べていた。マヌカハニーとは植物「マヌカの木」に咲く花の蜜から作られたはちみつだ。マヌカの木は基本的にニュージーランドにしか生えていなく、採蜜ができるのは年間で花が咲く約４週間であるという。
　そのため貴重であり高価である。父がマヌカハニーを買うようになったきっかけはニュージーランド出張であったと思う。現地で買ったのであろう「New Zealand」と書かれているTシャツを父が家で着ていた記憶がある。私たちの健康を気遣って健康効果の高い蜂蜜を買ってくれたのだろう。調べてみると、マヌカハニーは普通のはちみつよりも抗菌作用・抗酸化作用・抗炎症作用が高く、ビタミン・ミネラル・健康効果の高いフェノール化合物（ポリフェノールの1種のフラボノイドとフェノール酸）など、合計１９０種類以上の栄養素や健康成分が含まれているという。そんな貴重で高価な蜂蜜を買ってくれていた事に、父の愛情を感じる。父が蜂蜜食べるよ、などと声を掛け、姉と一緒にスプーン１杯のマヌカハニーを直接食べたり、ホットミルクに入れて飲んだりした思い出がある。父が蜂蜜を食べるのを忘れていたりすると、今日は蜂蜜食べないの？と私は子供らしくねだったこともある。良い思い出だ。食べなくなったのはいつからだっただろうか。食品棚には久しく食べていない父が買ってきてくれたマヌカハニーが今も置いてある。久しぶりに食べてみるのも良いかもしれない。

（完）