広瀬 央奈
1、ハチミツとの出会い
もうかれこれ何年経つであろう、かつて私が転職したお店では、ハチミツを売っていた。
食料品店でもないのに、どうしてだろうと思っていた。
しかしながら、ここのハチミツは人気商品で固定客がたくさんいたのだ。
私は、ちょっと不思議に思って働き始めていた。
2、ハチミツの量り売り
ここのお店では、ハチミツを量り売りしている。
大きなドラム缶のような入れ物の下の方に蛇口の様なものが付いていてその下に量りがあって、容器の重さを量ってからハチミツを入れて売っていた。
一応、清潔に洗ってある容器の場合のみ、持参した容器での販売となり、容器に汚れがある場合には、お店で用意している容器での販売となっていた。
中には、梅を漬けるために買われる方、梅を漬けるときの大きな容器で買って行かれる方もいた。
ここのハチミツは、甘くて癖も少なく、価格も比較的安かった。
私にとっては、ハチミツの量り売りは初めてで楽しい仕事だった。
3、もったいないハチミツ
お店のハチミツは、お店の大きなドラム缶の中身がなくなる前に一斗缶から移し替えなければならなかった。
ハチミツなので一斗缶についたハチミツはベットリと張り付き時間をかけてもなかなか取り切れないのであった。
私は、一斗缶に残ったハチミツを、仏教の経典に出てくる王舎城の悲劇に出てくる王妃のようにできることなら、体や顔に塗って帰りたいなあと思ったものである。
4、ハチミツの効能
ハチミツは、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、ポリフェノール、グルコン酸など栄養素が豊富。
ビタミンCや抗菌、殺菌効果があるとされ風邪の予防によい。
ビタミンB¬で疲労回復、美肌効果もある。
オリゴ糖やクルコン酸が豊富で腸内の善玉菌を増やすと言われている。
お砂糖に比べるとカロリーは低めで甘さが3倍と言われている。
本当なら嬉しい。
5、あれからいつも
今はもうお店を退職してしまったが、あれからいつもハチミツをストックしている。
そう、かつてのお店は漢方薬局だったのだ。
天然のもので効能があるとされているものを取り扱っていたのだった。
正直に言うと、それほど効果を実感している訳ではないが、お守りのようにストックしている。
熱いものに入れるとビタミンなどが壊れてしまうが、コーヒーや紅茶に入れたり、パンに塗ったりパンケーキに塗ったりすることが多い。
おそらく私は熱いものに入れてしまうことが多いので実感できなかったのであろう。
ただ、コロナ禍で、喉の違和感があるときにはそのまま舐めると調子がいいような気がしている。
いろんな花から取れたハチミツが売っているが、今は手ごろで扱いやすい容器に入ったアカシアのハチミツを使っている。
(完)
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