愛花
生まれつき両手足に障害があり、車椅子で生活をしている私。どうしても、ひとつひとつの行動に時間がかかってしまう為、ほとんど料理はしない。でもそんな私が、一昨年夏頃から電気式のクッカーを使い、時々、作っているものがある。
それは…「ナッツのはちみつ漬け」だ。
私が「ナッツのはちみつ漬け」を知ったのは、ちょうどその頃、読んでいた占いの本がきっかけ。二〇二一年の恋愛運を上げるパワーフードとして、「ハニーナッツヨーグルト」が紹介されていて、「ナッツのはちみつ漬け」の作り方も一緒に掲載されていた。元々、朝食は白米の代わりにヨーグルトを食べていることもあり、見た瞬間「これなら私にも作れる!食べたい!」と思った。
早速、母に頼んで素焼きミックスナッツとはちみつを買ってきてもらい、作ることにした。
まず、キッチンの所定の場所から電気式クッカーを取り出し、ダイニングテーブルへ運び、延長コードに繋げた。再びキッチンに戻り、今度は、材料のミックスナッツとはちみつ、ミックスナッツを砕くのに使うすりこぎと、「炒め物をする時に、使いやすそうだから。」との理由で持っていたシリコンのしゃもじ、きれいに洗ってもらい、煮沸消毒をして乾かしてもらっていた瓶、ミックスナッツを瓶に移す時に使うスプーンを持って、ダイニングテーブルへ。そして、「ナッツのはちみつ漬け」作りがスタート。
最初に、ミックスナッツを袋の上からすりこぎで砕き、一度瓶へ移し、はちみつに漬ける量を決めた。漬ける量を決めたミックスナッツを電気式のクッカーの弱火で十分程炒り、冷めるのを待って、スプーンでミックスナッツを瓶へ移し、最後に、はちみつを注いで出来上がり。
使ったしゃもじ、スプーンを運んで、車椅子から立ち上がり、キッチンの流しに寄りかかりながら洗い、片付けをして、電気式のクッカーも、キッチンの所定の場所へ戻した。ふと、時計を見ると準備を開始してから三時間程が経っていた。
翌朝、「ナッツのはちみつ漬け」を無糖のヨーグルトに入れて食べてみると、「今まで食べたことがない珍しさ」と「自分で作った」という想いも手伝って、とても美味しく感じた。
二〇二一年の私の恋愛運は上がったのか、正直…よくわからなかったが「作りたい!」という気持ちを引き出してくれた「ナッツのはちみつ漬け」は、私にとってのパワーフードだ。
(完)
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