山田姫菜
2022年7月。私は家族や友達に別れを告げて日本を離れた。そして、ニュージーランドに向かった。3ヶ月弱という長いようで短い期間であったが、これからどんな留学生活が待っているのか「ワクワク」と「ドキドキ」が私の心臓から溢れ出していた。
留学生活が始まったが、初めはわからないことばかりで友達も一人もいない状態からのスタートだった。不安が募っていたが、何とか学校生活にも慣れて友達に積極的に話せるようになった。留学も折り返し地点にきた頃、母と祖母に頼まれていたお土産があったことに気づいた。それはマヌカハニーだ。マヌカはニュージーランドでしか見られない木で、その驚くべき抗菌作用や抗酸化作用から「はちみつの王様」と言われている。母は何年も前からマヌカハニーを気に入っていて、風邪気味の時や喉が痛い時にコーヒーに入れて飲むのが好きだった。祖母は自分の健康のために、そして胃腸が弱い祖父のために、毎日スプーン一杯食べたいと言っていた。
どうしても家族に喜んで欲しかった私はスーパーやお土産屋さんを何軒もまわり、母と何度も連絡を取り合った。現地でできた友達とも出かけた時に、「マヌカハニーをお土産に探しているんだよね。」と言うと一緒に探してくれた。マヌカハニーにはその効果を示す数値が定められているが、MGOとUMFの2種類がある。私は初め2つの違いを知らずに数値の高いものが良いものだと思っていたが、それは間違いだった。例えばUMF10+のものとMGO100+のものがあったとしたら、UMF10+の方が倍以上の効果があるのだ。UMF10+はMGO263+ほどで、それぞれ抗菌活性成分の含有量と抗菌力を数値化したものだと知った。調べていくうちにマヌカハニーのすごさがわかり、マヌカハニーをもっと知りたいと思うようになった。
その後UMF10+のものをお土産として買い、楽しかった時間もあっという間で帰国の日が迫っていた。最後の登校日。私はニュージーランドでも友達に別れを告げる時が来た。その日の休み時間、私は友達から手紙やチョコレート、ネックレスも貰った。そしてそこにはマヌカハニーもあった。私は驚いたので聞くと「マヌカハニーを探してると言ってたから!」と友達は言った。私の言ったことを覚えてくれていたことに、感動し目が潤んだ。
マヌカハニーを探し求めながら街中を歩き、友情をも感じた私にとってニュージーランドを思う存分満喫できた留学になった。
帰りのスーツケースはたくさんのマヌカハニーと思い出でずっしりと重くなっていた。
(完)
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