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蜂蜜エッセイ応募作品

ももちゃん、たべられるほうせきだよ

藤本 千尋(6)

 

 きんきらのビンからとろ〜り。おとなだけがたべられる、ほうせきみたいな、ひみつのたべもの。わたしがはじめてたべたのは、ぞうぐみさんのときでした。
 「ごめんね、これはだ〜め。」
 小さすぎて、ちゃんとはおぼえてないけど、なんでも「たべてみな〜」というかかが、ぜったいくれなかったのだけはおぼえています。パンにぬって、こうちゃにいれて、ヨーグルトとか、ホットケーキにもトロンとたらして。ダメといわれるとよけいにたべたくなるけど、ビンはいつもたかいところにあってとどきません。
 「ももちゃんがうまれたら、ぜったいわたしよりはやくたべさせてあげたい。」
 ももちゃんは、3がつにうまれてくる、わたしのいもうとか、おとうとです。はちみつはおいしいし、キラキラきれいだし、けんこうにもいいです。だからはやくおしえてあげたいとおもいました。でも、
 「だめだよ。あかちゃんにはドクになっちゃうことがあるからね。」
 ととは、いっきゅうさんのおしょうさんみたいなことをいいいました。ほんとうかなあ。おしょうさんみたいに、おいしいから、ひとりじめしたいだけじゃないの?とおもいました。
 でも、しらべてみたらほんとうでした。はちみつにはボツリヌスきんというのがはいっていることがあって、それがあかちゃんのからだにはいると、びょうきになっちゃうことがあるそうです。ダメっていわれたとき、こっそりたべなくてよかった。がまんしたじぶんにも、まもってくれたかかとととにも、ありがとうとおもいました。はちみつは大すきだけど、ももちゃんが1さいになるまでは、いっしょにがまんしようときめました。
 さいしょにおしえるのは、ほうせきみたいなみためだけ。キラキラきれいで、きっとももちゃんもむちゅうになります。そして、はじめてあげるときは、わたしがはちみついりの、とくせいホットケーキをやいてあげます。ふんわりあまくて、いいにおい。とってもおいしいから、きっとももちゃんもすきになります。
 ももちゃん、げんきにうまれてきてね。それで、はやくいっしょにはちみつたべたいね。

 

(完)

 

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