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ミツバチと共に90年――

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元気の素

大阪のアン

 

「お~い、蜂蜜なくなったよ~!」
書斎から声を張り上げると、「は~い、直ぐにお持ちしますよ」と、妻の声がキッチンから返ってくる。
人生100年ともなれば、最期まで健康で元気でいたいものだ。それなら、働けるうちは働こうと、友人の仕事をパートで手伝っている。コロナ禍で在宅で仕事をしているが、なんとも口寂しい。ついつい手元の蜂蜜を舐め舐めとなってしまう。
「蜂蜜って、そんなに効き目ありますか? よくもまァー、飽きもせず机に向かっていられるものですね」
新しい蜂蜜を差し入れながら、妻の感心すること頻り。
「そりゃ、効き目大だよ。舐めると、脳が喜ぶらしいんだ。仕事は捗るし、アイデアも浮かんでくるんだよ」
「それは結構なことですね。私も日に何度か舐めるようにしてみましょうか!?」 
妻は朝のトーストに垂らしているだけ。
「よくナンバープレイスやクロスワードパズルを解いているよね。そんな時に舐めてみるといいよ。行き詰まっていたとしても、パッツと解けるんじゃないかな!」
「じゃ、私専用の蜂蜜を買いましょう」
先日、コロナ禍で出費の増えた物はありますかとのアンケートが回ってきた。「蜂蜜」と書いて用紙を送り返した。
妻に言わせると、ずっと家計簿に蜂蜜の項はなかった。ところがコロナ禍になって、ぐっと蜂蜜の購入量が増えたので、それまでの「その他」の項目ではなくて、「蜂蜜」と独立した項目が追加された。我が家の家計簿で、やっと独り立ちできたとでも言おうか。
かかりつけ医から言われたとのことで、妻はゲームやパズルに取り組んでいる。認知症予防にいいらしいのだ。脳は使わないと退化すると言われている。新聞、雑誌、フリーペーパーなどにクイズがあると、妻は食事の支度を惜しんで没頭している。
妻が蜂蜜を舐め出して1か月ほど経った。
「成果はどうだい?」
「あなたの言う通りよ。行き詰まった時に舐めると、脳が瞬く間にハッスルするのよ。面白いほどに解けるんだから。バッチリね」
何か私の暗示にかかってしまったのではないかと思ったりもしたが、結構なことだ。我が家は蜂蜜が活躍して、喜寿も傘寿も年相応以上に元気で過ごしている。

 

(完)

 

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