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蜂蜜エッセイ応募作品

プーさんになった私

佐々木幹雄

 

 「プーさんが好きなら、やっぱ蜂蜜でしょ!」
 入院先の病院から帰ってくるなり、妻にこう言われた。
 妻が口にした「プーさん」とは、あの有名なテディベア・キャラクター「くまのプーさん」のことではない。イタリアのロック・バンド”I Pooh(イ・プー、イは冠詞)”のことだ。

   家に5000枚以上のCDコレクションを持つ「音楽命」の私は、50歳を契機に新しい音楽を聴くのはやめ、買い集めたCDをひたすら聴きまくって余生を過ごそうと考えていた。
ところが、50歳を超えた私には「良いこと」と「悪いこと」が待ち受けていた。
良いこととは、「イタリアン・ポップス史上最高のバンド」と称されるイ・プーと出会ったこと。
悪いこととは、心臓、胃、脳神経と、次々と厄介な病気に襲われたことだ。

  イ・プーとの出会いは、イタリアン・レストランでかかっていた音楽だった。一目惚れ、ならぬ“一聴”惚れしてしまい、店の人に教えてもらってCDを買った。さらに、DVDで観たライブ映像で完全に魅了されてしまった。3世代にわたる老若男女が楽しそうにバンドと一緒に歌っていたのだ! 80歳を越えていると思われるお祖父ちゃんも、5歳に満たないような女の子も。

  妻が恐い顔で聞いてきた。
「プーさんの良いところは何?」
「そりゃ、まず、美しいメロディかな。聴いてて癒される」
「蜂蜜は、健康で、美しく生きる手助けをしてくれる。あとは?」
「半世紀にわたって常に人気バンドだったことだ」
「蜂蜜は、50年どころか1万年前から人類に採集されていたから、その効果は歴史が証明しているわけ。それと、保存性がいいのも蜂蜜の特徴のひとつ。あとは?」
「4人が対等で、みんな楽器が上手く、全員が曲を作れて、リードボーカルをとっている。一人だけが突出していない。こんなバンド、世界中でもなかなか例がないよ」
妻の顔は笑顔に変わってきた。
「蜂蜜は150種以上と言われる栄養成分がバランス良く含まれていて、用途も多彩。……これからは毎日蜂蜜を摂取する。決定事項でいいわね!」
ということで妻に押し切られ、蜂蜜ライフが始まった。トースト、ヨーグルト、紅茶だけでなく、様々な料理にも入れてくれた。「食べず嫌い」だった私も、「くまのプーさん」のようにすっかり蜜の味にしてやられてしまった。あっそうだ、イ・プーのバンド名も、元々は「くまのプーさん」から採ったものだった。
イ・プーと蜂蜜。50歳過ぎて、心と身体の栄養価は大いにアップしたのであった。

 

(完)

 

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