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蜂蜜エッセイ応募作品

魅惑の蜂蜜

あまね

 

田舎暮らしの祖母の家で従兄弟達と過ごす夏休み。
玄関先の扉を開けたまま、祖母と麦わら帽子のおじさんが楽しそうに話す。
祖母が振り返ってこっちへおいでの合図とともに玄関裾から勢いよく外へ飛び出す私達。
祖母とおじさんの目の先にはトラック荷台に綺麗に並べられた魅力的な大きな瓶。
その正体をおじさんが別な小瓶からすくいあげ私達の手の平で明かされるのだ。
その香りだけで魅了されるその正体は蜂蜜。
笑顔の私達に、笑顔のおじさんは言う、今年の出来は最高だよ!毎年きくお約束だ、でも私達の笑顔もお約束である。
じゃ、これにするわ。
祖母が口を開くか開かないか、、従兄弟の中で1番大きなお兄ちゃんがすでに大きな瓶に手をかける。
我も我もと小さな従兄弟達も後を追って加勢する。
笑顔のおじさんと笑顔の祖母が見守る中、
数勢の働き蟻ように、巣穴に蜜を運び入れる。
そして、運び終えたその大きな魅惑の瓶を囲みみ、祖母が外から戻るのを今か今かと喉を鳴らして待つのだ。それが幼かった私の1番の蜂蜜の思い出といえる。
蜂蜜と聞くだけで特別になれる、香りだけでワクワクする、そして皆んなが幸せな笑顔になるそれは大きくなった今も変わらない。
いい大人になった今でも、風邪をひくと喉アメ蜂蜜、癒されたい時はホットの蜂蜜、ちょっと特別にしたい時にはパンケーキやトーストに蜂蜜をたっぷりかける。
正直、このエッセイを書くまでは蜂蜜の事を日常で考えた事は無くなっていたけれど、ずっと元気や笑顔をもらってきた。
幼い頃、香りだけで興奮した特別な蜂蜜にまた大人になった自分も出会いたくなった。

 

(完)

 

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