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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の薬効とその科学的根拠(二)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(一)から続く】
・蜂蜜は古来瀉下(しゃげ)薬(便秘薬のこと)として用いられ、同時に下痢にも効くとされてきた。蜂蜜に含まれるグルコン酸には、腸内のビフィズス菌を増やす効能があり、これが便秘に効く理由と考えられる。
・古代エジプトの医学書中には、盲目の馬の目を塩を混ぜた蜂蜜で三日間洗ったところ、目が見えるようになったという記述が登場する。また、マヤ文明ではハリナシバチが作った蜂蜜を眼病の治療に用いていた。その後、蜂蜜が白内障の治療に有効であることが科学的に明らかとなった。インドでは二十世紀半ばにおいて、蜂蜜が眼病の特効薬といわれていた。
・欧米には「ハチミツがガンに効くという漠然とした『信仰』に近いもの」が根強く存在する。一九五二年に西ドイツのアントンらが一万九千人あまりを対象に職業別の悪性腫瘍発症率を調べたところ、養蜂業従事者の生活習慣の中に悪性腫瘍を抑制する要因があることが読み取れ、それは蜂蜜の摂取にあるとの見解があるとされる。また、蜂蜜には生成の過程でローヤルゼリーに含まれる物質が混入すると考えられ、カナダのタウンゼンドらはローヤルゼリーの中に悪性腫瘍を抑制する物質を発見している。
・二日酔いには、蜂蜜入りの冷たい水が有効であるとされる。蜂蜜に含まれるフルクトースは、肝臓がもつアルコール分解機能を強化する効果をもち、さらにコリンやパントテン酸にも肝臓の機能を高める作用がある。デンマークの医師ラーセンは、泥酔者に蜂蜜を飲ませたところ、短時間で酔いから覚めたと報告している。また、ルーマニアのスタンボリューは百二十四人の肝臓病患者が蜂蜜を摂取することにより全快したと報告している。
・蜂蜜の精力増強作用については、十九世紀の科学者は懐疑的であったが、二十世紀に入りイタリアのセロナは〇・九gの蜂蜜中に二十国際単位の発情物質が含まれると発表した。
・蜂蜜には血圧を下げる効能があるといわれてきた。蜂蜜にはカリウムが多く含まれるが、食塩を過剰に摂取した際にカリウムを摂取すると血圧を下げることができる。また、蜂蜜に含まれるコリンには高血圧の原因となるコレステロールを除去する効果がある。
・中国などの文献には、蜂蜜の駆虫作用に関する記述がみられ、甘草と小麦粉、蜂蜜から作った漢方薬「甘草粉蜜糖」は駆虫薬として知られる。
・その他、鎮静作用が認められ、咳止め、鎮痛剤、神経痛およびリウマチ、消化性潰瘍、糖尿病に対する効能が謳われている。
実は、このように、科学的実証研究は積み重ねられてきているのである。

 

(完)

 

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