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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜に感じるロマン

神子

 

 私は甘党である。幼いころはそれほどではなかったが歳を重ねるほどに顕著になって、今では食べない日は無い。どんなに食欲がなくても、甘いものなら喉を通るし、疲れている時、嫌な事があった時にも甘い物の力を借りている。
 そんな私の朝食に欠かせないのが蜂蜜だ。手作りのヨーグルトにミューズリーとたっぷりの蜂蜜を入れて食べる。私の元気の素である。
 甘い果物や野菜のほとんどは我々が手にするほぼそのままの形で地球上に存在している。そしてそれらが糖分を蓄えるのは自らを守るためらしい。凍結を防ぐためや、動物や鳥に種を運んでもらい撒いてもらうためだ。今ではその多くが栽培され、品種改良を重ねて売られている。因みに砂糖はその糖分を抽出加工して出来たものだ。
 では蜂蜜はどうであろう。実際に蜂蜜を収穫するところを見たことはないが、以前巣蜜なるものを食べたことがある。いつも食べている蜂蜜そのものであった。
 砂糖と違い、蜂蜜が完全な形で存在していることにまず驚くが、それよりも・この琥珀色の蜜があの小さなミツバチが花から運んできて貯めた物だということは驚異である。
 スプーン一杯の蜜を貯めるために、ミツバチはどれだけ往復するのだろう。気の遠くなる数に違いない。雨の日や風の日もあるだろう。大きな蜂に巣を荒らされることも、お腹をすかせた動物にごっそり攫われる事もあるだろう。中でも人間は一番の盗人だ。それでも諦めることなく、運んでくれるミツバチがいるからこそこの恩恵に与かれるのだ。畑で栽培することも工場で作り出すこともできない。この小さな蜂に頼るしかないのだ。
 ミツバチは何のために蜜を貯めるのだろう。蜂のDNAの中に組み込まれているから。そうかもしれない。そして蜂のDNAに組み込んだのも、果物や野菜や花に糖を蓄えることを教えたのも神の仕業。しかし、私はどうしてもそこにミツバチの意思を感じてしまう。何か使命感を持って運んでいるように思えてならない。蜂自身が必要な量をはるかに超える量を集めるのは、何故だろう。優しさと真面目さを兼ね備えた働き者のミツバチに、神がその任を託したに違いない。
 今日もどこかでミツバチが誰かのために必死に蜜を集めてくれている。「ありがとう。おいしいよ。これで今日も一日元気に頑張れる。」、

 

(完)

 

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