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蜂蜜エッセイ応募作品

イギリスの蜂蜜の効能研究(前)

渡辺 碧水

 

 当蜂蜜エッセイ、二〇二二年度・第六回の「医薬品ハチミツの効能・効果」について、「一八八六(明治十九)年六月に初めて公布された『日本薬局方』という国定の医薬品の規格基準書に記載され、百三十五年もの歴史を経過していながら薬品としての効能・効果はいまいち明快でなく、曖昧である」と指摘し、「大昔から薬効があるとされながらも、おそらく蜂蜜の科学的研究がほとんどなされてこなかったことに起因すると想像される」と書いた。これは、我が国においての実情である。
外国の例はどうであろうか。どんどん見直しが行われている。
一例として、当蜂蜜エッセイ、二〇二一年度・第五回で「初期の風邪に蜂蜜一匙」で要点を紹介したイギリスの医学専門誌掲載の論文を再び採り上げてみる。
オックスフォード大学医学部、H・アブエルガシム氏ら三人の研究者が報告した「上気道感染症の症状を緩和するための蜂蜜の有効性:系統的レビューとメタ分析」という題名の論文。二〇二〇年八月十八日発行の英国医師会の発行する医学雑誌『BMJ/EBM』(いずれも略称)に掲載。
用語を簡略に補足すると、「上気道感染症」とは「風邪症候群」、「レビュー」とは「再調査。再検討」、「メタ分析」とは「複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること」であり、雑誌名の「BMJ」とは「英国医療雜誌」、「EBM」とは「科学的根拠に基づいた医療」である。
この研究は世界に発信され、米国の大手テレビ「CNN」のニュースでも「蜂蜜は咳や風邪の治療に市販薬よりも有効か」と題して放送され、大きな反響を読んだ。
注目の一つは、研究の背景である。
今、抗菌薬(抗生物質)の不適切な服用(過剰な処方など)によって、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌(薬に対して抵抗性を備えてしまった細菌)の増加が、世界的に問題になっている。
抗菌薬耐性(細菌を殺す薬剤に対して細菌が抵抗性を備えること。抗菌薬が効かなくなる現象)を持った菌による感染症が広がっているからである。
季節的に多く発症し感染する風邪の治療で、抗生物質が頻繁に使われてきたことが薬剤耐性菌の増加につながった、とも言われている。
【同タイトル(後)へ続く】

 

(完)

 

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