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蜂蜜エッセイ応募作品

まろやかな甘さをキミに送る

金森怜香

 

さあ、今日は料理を作ろう。
私は来ていた和服をたすき掛けして、エプロンを身に着ける。
材料は、鶏肉、筍、にんじん、れんこん、白滝、戻した干し椎茸。
そして、絶対に欠かせないものを用意する。
そう、「アカシア」のはちみつだ。

アカシアのはちみつは、優しい味がする。
だから私は、アカシアのはちみつが大好物だ。
紅茶に入れても美味しいし、料理にも使える。
煮物に入れたら、照りも出て、砂糖を入れなくても甘味付けに持ってこいだ。

私は早速、料理に取りかかった。
筍、にんじん、れんこん、白滝、椎茸を切って、鶏肉を一口大にした。
ごま油とともに、鶏肉を炒め、色が変わって他の材料を流しいれて椎茸の戻し汁と料理酒で煮込む。

煮込む間、私は紅茶を楽しんだ。
疲れた体に、アールグレイのベルガモットの風味と、はちみつがマッチして体を癒してくれた。
温かくて、ホッとするし、程よく甘い。

私はこれまで、いくつかのはちみつと紅茶の相性を試した。
百花蜜、オレンジ、クローバー、カナディアン……。
だが、やはり私は一番アカシアのはちみつと紅茶の組み合わせが好きである。
後味が一番さっぱりと感じるからだろうか。

以前広島を旅行した際にゲストハウスのサービスでいただいたホットミルクが印象深い。
そこには、なんと「コーヒー」のはちみつというものを少し入れて提供してくれたことがあった。
コーヒーのはちみつは、自宅に戻った後で取り寄せたのだが、一口だけ口にして思ったことがあった。
そう、何かに似ている、と思ったのだがそれはまさに「黒糖」の味に近かった。
だから、ホットミルクに合ったのだろう。
少なくとも、紅茶にはあまり会わなかったことはよく覚えている。

そんなことを思いながら紅茶を楽しんでいると、程よく煮込まれている。
私は落し蓋を取って、アカシアのはちみつを入れ、だししょうゆを継ぎ足した。
隠し味程度にみりんをいれ、さらに煮込んだ。

食卓に上げる前、そっと一つにんじんをつまみ食いする。
「うん、これは上出来!」
家族も喜んでくれると信じた。

煮詰まった煮物を盛り付けて、食卓へ並べる。
なぜだか煮物はキラキラと光って見えた。

 

(完)

 

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