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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

甘い香りの思い出とわたしの夢

はちの子

 

夢は養蜂家です。 

その理由は、今は亡き母方の祖父が養蜂家だったからなのです。 
小さい頃、おばあちゃん家の玄関を開けると 
甘い香りが漂ってきました。 

祖父は、言葉は多くなくいつもニコニコしながら 
蜂蜜の箱から採れたての蜂蜜を舐めさせてくれました。 
それもあり、みつ蜂が近くを飛んでいても恐いとは思いませんでした。 
春の庭には、アカシアの花がゆらゆらとなびき、 
はちみつの同じ甘い花の香りがします。 
耳には、ブーンと蜂の羽音がまた春の訪れを教えてくれました。 

あの子どもの頃の 
優しい時間の流れがキラキラしており、なんとも言えないしあわせな時間だったのです。 

祖父が亡くなりはちみつ屋は閉めてしまい 
亡くなった後、祖父が大切につくった 
はちみちを大切に食べた覚えがあります。 

その記憶をふと大人になり、思い出してから 
私も養蜂家になりたいと思ったのです。 

1匹のみつ蜂が生涯でティースプーン1杯しかつくれないのです。 
そのみつ蜂と養蜂家が大切につくったはちみつを 
味わって召し上がって頂きたいのです。

 

(完)

 

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