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蜂蜜エッセイ応募作品

スズメバチの巣

宗正樹

 

夏に帰省したとき裏口の軒下にスズメバチの巣を見つけた。何か大きなハチが飛んでいるなとは思っていたが、家族のだれもハチの巣には気付かなかった。それもそのはず、裏口のドアの真上に出来ていた。直径20cm位あり、だいぶ前から巣作りが始まっていたのは確実で、巣の形、外面の縞模様からスズメバチの巣であろうことは直ぐに分かった。
さあどうする。スズメバチは獰猛であり、何回か刺されるとアナフィラキシーショックを起こして死ぬこともあると聞いている。家には年老いた両親もいる。業者に頼むなりして駆除しなくては。
いや、あと半年くらい我慢して、直径50cm位まで大きくすると美術品として結構な値段で売れるんじゃないか。確かに、ガラスケースに収まったスズメバチの巣をドラマの社長室などで見る事が有る。
あの中にはハチの部屋が有って、蜂蜜とハチの子が入っているから、食べたら旨かろうという人も居る。家族それぞれに違った考えが出てきたが、私の帰省が終わるうちに処置しなければならない。結局、「年老いた親がスズメバチに刺されることが心配だ」ということで取り払うことに決まった。
私が厚手の服の上から繋ぎの服を着、ネットの垂れ下がった帽子をかぶり、溶接工が使う厚手の皮手袋、長靴を履き、服と手袋、服と長靴の隙間はガムテープを巻き付けて防護体制完了。ハチの巣の直下から包み込むようにビニール袋を持ち上げていく。異変に気付いたハチは巣から飛び出してきてネット、服と飛び掛かってくる。ハチの毒針が服を貫通しないことを願うしかない。ビニール袋を針の位置まで持ち上げ、ハチの巣の根元の部分で袋の口を絞る。巣を左右に振ると割と簡単に外れた。袋の中にフマキラーを吹き込んだため、蜂蜜を採ることは出来なかった。
ハチさん、折角作っていた巣を壊してごめん。今度は山の中にでも作ってよ。

 

(完)

 

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