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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

ミツバチ

岡部 節子

 

 ミツバチと聞けば、ふるさとの美しい景色が浮かんでくる。父が脳溢血で倒れ、治療も虚しく、半身不随になってしまった。そんな時、養蜂業を営んでいた友人から「お世話になったから」とミツバ二〇群{四〇箱}を頂いた。庭の花壇を つぶし、梨の木が生える 庭をつぶし蜜箱が置かれた。それから、ふるさとの我家は、いつもミツバチが飛び交う家になった。ミツバチは、おとなしい性格なので攻撃しなければ刺さないという事を教わった。ミツバチが腕に停まろうとトイレの周りを飛んでいようと平気だった。まるで家族の一員だった。ピンク色のれんげそうが一面に広がると美味しい蜂蜜がとれる。近所の人も、それを楽しみにしていて買いに来てくれた。体の不自由な父の唯一の楽しみでもあった。その蜂蜜を紅茶やヨウグルトに入れて頂く。一日、大匙1杯の蜂蜜を摂ると体にとてもよいと母が教えてくれた。父母が亡くなり、養蜂家の知人も亡くなり、ふるさとにミツバチも飛ばなくなった。ふるさとの美味しい蜂蜜を口にしなくなって久しい。そういえば、れんげ畑も菜の花畑も見なくなって久しい。ふるさとの山は変わらないのに人や情景は変わってしまった。ミツバチが飛び交う頃のふるさとは、まばゆいばかりの光あふれるころだったに違いない。

 

(完)

 

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