大阪のアン
「おじいちゃんとこの蜂蜜、美味しいね。ここのを食べたら、うちんちのはなんの特徴もないよ」
小学生の孫が一端のことを言う。
春休み、夏休み、冬休みなどの長い休暇に入ると、孫は宿題を抱えてやって来る。「マイハニー」を持って来ていたが、我が家のハニーを試食してからというもの、持参しなくなった。
「うちのハニーは『マヌカハニー』って言うんだよ。ニュージーランドでしか採取できないんだ」
「う~ん、すごいね。遥々遠い国から運ばれてくるんだね。貴重だね」
「どんなところが気に入ったんだい?」
「味が濃厚なんだよね。ぼくはパパに似て味の濃いのが好きなんだ。ママからは、『パパみたくお酒飲みになるんじゃない!』って言われてるんだよ」
ここはひとつ、マヌカハニーの効用を述べておいた方がいいだろうと思った。
「このマヌカハニーってのは、殺菌・抗菌作用があるんだよ。それでじいちゃんとばあちゃんは食パンにたらしたり、紅茶に入れては飲んでるんだよ」
「え~、じゃ普通のハニーよりも優れてるってことか!」
えらく感心している。
「そうだよ。高齢者は免疫力が落ちるからマヌカハニーを食べて、抵抗力をつけているんだよ」
「だからおじちゃんとおばあちゃんは元気なんだ。『いつもお元気なお二人ね』って、ママも言ってたよ」
ハニーの話題で、孫とこんなに会話ができたのは初めてだった。嬉しい。これだけ話したら、マヌカハニーは孫にとってはもう未知ではない。家に帰ったら、きっとパパとママにマヌカハニーの知識を披露するに違いない。「お元気の秘訣は、マヌカハニーだったのね」と、きっとママは言うに違いない。パパはどんな反応を示すのか、興味のあるところだ。
休みが終わりに近付き、孫は妻に付き添われて帰ることになった。「これ持って帰りな」とマヌカハニーを手渡すと、びっくりし、満面笑みとなり、「ありがと!ありがと!ありがと!」と、飛び上がらんばかりの喜びようであった。
(完)
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