ハル
「いつかは俳優になりたい」
高校に入学後、演劇部一筋に打ち込み、小さいながらも賞をもらった息子が見た夢は、普通の親なら諫めて当然の、つかみ所の無いものだった。しかし、我が家は勝手が違う。父親である主人は自分の両親の猛反対により、夢だった競艇選手の道を閉ざされ、母親である私自身もパイロットの夢を視力低下から諦めた過去がある。自分で食べていけるだけの経済力を確保しながらなら、やれるところまでやってみなさい、と息子に言ったものだ。
さて、俳優といえば芸能人。芸能人は歯が命、というけれど、息子の場合は歯は健康そのもの。問題は、肌だ。
顔には常に汗をかく年齢。さらに舞台のドーランで肌を痛めつけているためか、高2の時にはニキビは顔中に広がっていた。薬も食事も対策、石けんも数種類試したがどれも今ひとつ効果が無い。医者は「この時期特有のものです」というが、知らずひっかいて痕が残っては元も子もない。はてさてどうしたものか、と悩んでいたときに、知人から蜂蜜の石けんを薦められた。
近くのモールに蜂蜜専門店があり、そこで石けんをひとつ購入。これが驚くほど効果があった。知人が言うには「ニキビを気にして洗いすぎても逆効果。蜂蜜なら保湿も同時にできるからちょうど良い」らしい。学校でもクラブのあとの洗顔で使い、ニキビは少しずつ消えていった。
こうなると、もっといいものが欲しくなる。ネットで「プロポリス配合の蜂蜜石けん」を発見して即購入した。ありがたいことにニキビだけでなく、元元色白で日に焼ければ真っ赤に腫れ上がる息子にとっては、日日の洗顔にぴったりだったようだ。
そんな息子も昨年高校を卒業。本格的に俳優を目指すため、今は上京し、養成所でしごかれている。ものになるかどうかは本人次第だが、せめて少しでも手助けしたい親バカな母は、今日も仕送りの荷物や食事とともに、プロポリス石けんをダン箱の底に忍ばせている。
(完)
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