秋光
捕まえた!
幼少の私は可愛い虫を捕らえた満足感にひたり、ゆっくりと手の中を確認する。
右手の親指つけねにチクッ!と痛みが走る。
泣きながら自宅に駆けた私は昔の私。
小学生になり、ミツバチは花からミツを集める知識が理解できるとやっつけられた意識は一変する。
それどころか、あの時の無駄な一撃で、彼はその小さな生涯にピリオドを打っていたのである。
「蜂のムサシは死んだのさ」なる曲が、稚心にリフレインし、はからずもの殺生に懺悔するのであった。
以後、ハチミツなるものには畏敬の念を持って対峙しておる所存である。
(完)
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