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蜂蜜エッセイ応募作品

蜂蜜の思い出

神宮 博道

 

 遥か昔の話である。公務員試験に受かり、歓迎会の席でギンギラギンの小太りで髪は薄くひげが濃い人が直属の上司であることが分った。乾杯に引き続いて彼から公僕精神の訓育を受けた。ストレスに負けずに健康維持に留意せよ、ネバネバをバカにするな。蜂蜜を舐めれば体力維持ができ仕事をこなせる。彼はネバネバ食品の中で、蜂蜜だけを取り上げた。アルコールが入り緊張も緩み、話題が下ネタの話に移った。上司曰く「俺は一戦を交えるとき直前に蜂蜜を大さじ一杯舐めると非常に具合がいい、自分という実証例があるから間違いない」とその効用を喋った。口角泡を飛ばす様子で、単なる冗談でなく信奉者のようだった。同席の係長は「あれは単なる栄養食品に過ぎない、納豆のほうが持続効果があるという薀蓄が始まった。今度は次席が、精力剤はマムシやすっぽんのエキスの入っているものに限ると言う。
 その中で身振り手振りで際どい話が咲き、当時独身の私には強烈な歓迎会であった。春になり花見の宴会では、上司の道路側に座り「その後、蜂蜜の効用はいかがですかと」水を向けると「女王蜂を知っているだろう、一匹の女王蜂がコロニーを作って君臨している。それを支えるのが働き蜂の蜜でローヤルゼリーだ。エジプトでは五〇〇〇年実績がある。俺はこのお蔭で幸せだ、女房も同じだ。我が家の消費量は、毎年大瓶4本は買う。お前も舐めればすぐに結婚もできるぞ。」と大声話し私は結婚したくなったら舐めますと、上司に礼を尽くした。これを聞いて全員がアハハと大声で笑った。彼は当にいない。私は結婚後たまに蜜をパンに塗るときこのことを思い出す。

 

(完)

 

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