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蜂蜜エッセイ応募作品

有難う!親方さん!

こまぴょん

 

 数年前の事だ。その日、私は風邪気味だった。コンビニのパートをしていたのだが、人員不足でどうしても休めず、私はマスクをして温かい服装で仕事に就いていた。朝6時から9時までがシフトで、6時前には第一弾のお客様の波が来る。咽頭痛でかすれ声の私に、常連さん達は「風邪ひいたのか?無理するなよ。」と声を掛けてくれていた。「有難う御座います。」と言いながらも、早く帰りたくて仕方なかった。
 第一弾の波が終わり、7時半頃にくる第二弾に備えて、品物を補充していた時だった。常連さんグループの一人の若い子が店に戻ってきた。
 「どうしたの?買い忘れ?」
 「うん。ちょっとね。」
 この子は良く声を掛けてくれる常連の親方さんが面倒を見ている子だ。親方さんを入れても、総勢4名の小さな建設会社だが、毎日お店に寄ってくれる。温かいレモネードと蜂蜜のど飴をレジに持って来て支払いを済ませると、「はい。親方から頼まれた。」と言って、私に差し出してきた。
 「これ、親方さんが私に?」
 「うん。『ねーちゃん、風邪引いているみたいだからよ。蜂蜜、買ってやれ。風邪には蜂蜜だよな!』って言ってお金を渡されたんだ。でも蜂蜜そのまま出すわけにいかないじゃん?だから、俺が適当に選んだ。」
 「有難う!凄く嬉しい!親方にお礼言っておいて。」
 「解った。じゃあ、また。」
 体調が悪くて気持ちまで落ち込んでいた私だったが、親方さん達の気持ちのお蔭で、自然と心が温かくなった。品物の補充をしながら、こっそりレモネードを飲んでみた。温かく甘酸っぱい液体が喉の奥にまで染みわたっていった。同時にそれは、親方さん達の暖かい心が伝わってくるようだった。
 有難う、親方さん!明日には元気一杯の笑顔でお礼を言えるようにするね!

 

(完)

 

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