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蜂蜜エッセイ応募作品

未練

河崎 康次

 

 サプリメントの蜂の子を購入した。
 耳鳴りは十五年前から続いている。最初は非常に気になりたくさんの耳鼻科へ行った。どこの耳鼻科も治療は同じで耳に空気を通し、アリナミンを処方するだけだ。結局耳鳴りは治らない病なのだ。唯一の薬は「気にしないこと」である。
 ところで最近聞き返すことが多くなった。日常会話からテレビドラマにまで広がってきた。最初の音を聞き逃したら話の意味がわからなくなる。そこですかさず家内に聞く。
 「今、何て言った」
 「ダメ、ドラマの途中に声を掛けないで」
 つれない返事である。うーん、耳を何とかしなければ。
 蜂の子が耳鳴りにいいというのは新聞広告で知っている。しかし無視した。なぜならブルーベリーが目に効くと言われて購入した。最初から定期購入である。しかし五十年も前からの近眼がブルーベリーの服用で回復するだろうか。案の定、効き目は感じられない。だから止めた。
 先日ひょんなきっかけで百田尚樹さんの「風の中のマリア」を読んだ。蜂の世界を描いた小説である。その中で蜂は自然界に食料が少なくなると他の蜂の巣を襲い、蜂の子を略奪すると書いてあった。びっくりした。共食いだ。それと同時に蜂の子はそんなに良い栄養素なのかとも感心した。
 すると頭の中に「耳鳴りに効くよ」との言葉が湧いてきた。新聞広告はなぜか取っている。結局それを取り出し、迷ったが一瓶だけ購入した。今一日四粒飲んでいる。効き目はまだない。
 うーん、諦めたと思っていても無意識に広告を保管し、ちょっとしたきっかけで購入へと走る。どうも私は未練がましい人間のようだ。耳鳴りが治れば……。未練だろうか。
 蜂の子に賭けてみたい。

 

(完)

 

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