nana
数年前に海外旅行で知り合った夫婦が長期休暇を取り日本を旅行したいと連絡があった。
祖父母の家に部屋が空いていたので一か月間滞在してもらうことになり、ちょうど私も上京するところだったので同じ一軒家で過ごすことになった。
親元を離れて仕事と家事をこなす事は至難の連続だったが、彼らの日々出かけた写真を見せてもらう事が癒しとなっていた。
彼らはいつも笑顔で「Have a nice day!」と言ってくれて好奇心に満ち溢れて幸せいっぱいだった。
帰国後、お礼品として国際便で段ボールいっぱいにカナダの蜂蜜が送られてきた。
消費しきれないと思いとにかくどんな食事にもかけて食べ続けた。
食パンは勿論のことサラダに肉魚料理、朝昼晩の食事に使い続けた。使っていて気付いたのだが合わない食材がなかった。
私の中で料理の「さしすせそ」は「は」から始まるくらい蜂蜜をまず入れるのだ。
料理が楽しくなって、仕事中のランチもあの甘い蜂蜜をもうすぐ食べれると思えば乗り越えれた。
ふと上京したばかりの頃の不安だらけの日々を思い出して、くすっと笑ってしまう。
今では今日は何の料理に蜂蜜を合わせようかと毎日わくわく好奇心いっぱいだ。
一人でも楽しく過ごせるようにと背中を押してくれた御守り。
今はコロナで簡単には会えないけど、次に会うときは和食に蜂蜜でおもてなしをしたいなと思う。
「Have a nice day!」彼らの笑顔を思い出し蜂蜜の甘さと混じって笑顔の1日が今日も始まる。
(完)
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