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復活後、イエスは巣蜜も食された?(三)

渡辺 碧水

 

 【同タイトル(二)から続く】
 「蜜房(みつぶさ)」とは「蜂の巣」であり、「巣蜜=蜜蜂の完熟蜜の巣」のこと。
 『ハチミツの百科』の説明は真実ではなく、文語訳だけだったが、わが家にあるもので、日本語訳にも存在することが判明した。
 補足すると、『我らの…新約聖書改譯』には、それ以前発行の『我らの…新約聖書』(一九二七年)があり、国立国会図書館に所蔵されているが、それの記述も「炙りたる魚一片」だけだった。
 また、娘が購入したものに、前掲の『符標新約聖書』の復刻版(一九九三年、日本聖書協会発行)もあった。弾圧記念同志会が発売元となり、少部数の限定発売だったという。復刻元書の奥付の日付は「昭和九年四月廿五日三版」となっており、この聖書は一九三四年四月以降には増刷がなかった。
 それどころか、この頃日本では、軍や警察による宗教的迫害が加速していて、当時、この聖書は廃棄・焼却を命じられたため、ほとんどの教会には残っていなかったという事情もあったとか。
 ちなみに、国立国会図書館の収蔵書によると、日本語で翻訳された最初の組織的な委員会訳(いわゆる「明治元訳」。明治訳、元訳、委員会訳などとも呼ばれる)の『新約聖書』(日本在留宣教師団翻訳委員社中訳、一八八一年=明治十四年版)には、次のようになっている。言うまでもないのだが、『路加傳福音書』とは現在の「ルカによる福音書」のこと。貴重で重要なものなので、振り仮名も添えて示す。
 『路加傳福音書』「二十四章四十一~四十三節」
 「彼等(かれら)喜(よろこ)べども猶(なほ)信(しん)ぜず異(あやし)める時(とき)にイエス此(ここ)に食物(しよくもつ)ある乎(や)と曰(いひ)ければ炙(あぶり)たる魚(う)をと蜜房(みつぶさ)を予(あた)ふ之(これ)を取(とり)て其(その)前(まへ)に食(しよく)せり」
 この頃に既に個人訳や原典が異なる訳も複数あり、既に「蜜房」の記述がないものも存在したらしい。
 結局、私の調べた範囲では、日本語訳のものは聖書によって記述が異なり、明治時代から「蜜房」の言葉が入っている聖書と入っていない聖書とが存在したといえる。
 【同タイトル(四)へ続く】

 

(完)

 

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