清松 由美子
高校時代の山岳部の同期が、シドニーに住んで30年近くになる。以前は年に一度は日本に帰って来ていて、そのつどオーストラリアのお土産を持って来てくれた。ある時、小さな瓶に入ったお土産をよこした。それは「プロポリス」だと言った。元気になるとのことだった。プロポリスは、初めて知るものだった。今であればネットで調べて、その価値も分かるのだが、当時はガラケーも使ってない時代だ。なんとなく怪しくて、そのまま冷蔵庫にしまい、結局は捨ててしまった筈だ。
またある時は、蜂蜜のお土産をもらった。小さな容器のやつだったが、味が気に入り、次回は1キロの蜂蜜を買ってきてと頼んだ。
またある時は、プロポリス入りの歯磨き粉を持って来た。磨いてみれば、少し癖はあるが自然の殺菌作用だと感じた。何時も使っているものは、科学的に強力だが、口の中の良い菌も殺してる感じがした。私は次回は、プロポリス入りの歯磨き粉を10本頼んだ。そしていろいろ蜂のことを調べるうちに、女王蜂の凄さを知った。今度は一年分のローヤルゼリーを頼んだ。ローヤルゼリーを食べると、身体の奥の何かが頑張る力を発揮する。その力は大きくはないが、精神にも作用し、細い炎が強い風にも耐える感覚が出て来た。
蜂蜜の効用に大いに助けられた私であったが、このコロナ禍で友人は二年程日本に来ていない。蜂蜜とローヤルゼリーはネットで探して買ったが、プロポリス入りの歯磨き粉は高くて買えなかった。歯医者では、高濃度フッ素入りの歯磨き粉を薦められ今はそれを使っている。今のところ、どちらが良いのかはわからない。
自然のものは、人間の知恵の及ばない不思議さを秘めている。蜂が生きる為に産出したものを頂くのは、少しだけ気が引けるが、これもお互いフィフティフィフティの関係がどこかにあるのだろう。そう思いつつも、早く国と国との往来が元に戻る日を待ち望んでいる昨今である
(完)
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