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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

「ミツバチと共に百余年」

渡辺 碧水

 

 私は今、長野県須坂市所在の蜜蜂産品販売店の事業に注目している。
 同市中町(の銀座通り?)の一角に、二階建ての瓦屋根で白壁、玄関上二階の格子窓を覆いつくすような「はちみつ家」と刻まれた老樹板の大看板、古めかしいようで清楚な民家風の大きな家屋がある。
 通りに面する軒には紅白提灯が下がり、入口には「信州須坂/蜂蜜」のノレン。ショーウィンドウには、須坂特産品の純粋はちみつ、ローヤルゼリー、蜂の子、プロポリス、…が並び、キャッチフレーズ「太陽と花とミツバチとともに」の文字も窓ガラスに。
 実は、老舗「(有)鈴木養蜂場」の店構えを紹介したのだが、良く知る人からは「下手な情景描写だ。やめとけ」と一蹴されるかもしれない。
 ならばと観点を変えて、歴史的発展を概観してみたい。信州須坂の「はちみつ家」の創業は、大正十(一九二一)年とも同十二年とも記されている。
 西洋蜜蜂飼育による日本の近代養蜂の民間起業は大正初期とされているから、現在の有限会社・鈴木養蜂場の前身は、全国的にみてもかなり早い時期に創業した老舗とみなして異存はなかろう。
 このところ同社は、「ミツバチと共に九十年」というコンセプトの企業理念を掲げて、自社の説明に努めている。だが、この文言は控え目過ぎると思う。
 創業の年からは、堂々と「ミツバチと共に百年(一世紀)」と謳うべきであろう。余計なお節介だが、今後数年は「ミツバチと共に百余年」とするよう提案したい。
 事実、同社は養蜂業一筋に歩み続けてきた。二代目現会長の鈴木勝夫氏は口癖で「うちは企業じゃないよ、家業だよ(人の心が見える商売をしたい)」と言ってきたそうだ。
 そして、その理念を受け継ぐ三代目現社長の鈴木健太郎氏は「確たる農業を足場とし、最も信頼できる地道な活動(養蜂農家だからこそできる安心の完熟蜜の提供)をブレないでする」と、ポリシーを貫く。
 このところ、蜜源の不足とミツバチの減少による国産蜜の自給率の低下も、高品質蜜の高値も、常態化したままである。対策は、安全安心な蜜源植物と健康な蜂群の確保。
 そこで、同社は行動する。まず、蜜源豊富な中国の大地に自ら乗り込んで、長年培った養蜂技術を丁寧に伝授。また、蜜源確保のために、近郊の遊休荒廃農地をレンゲの里に復活させる「ミツバチ応援プロジェクト」の実践。
 実直な姿勢に、消費者本位の「自然な美味しさ」追求継続への期待が高まる。

 

(完)

 

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